米国のウィットコフ和平交渉担当特使(前列右)とロシアのドミトリエフ大統領特別代表(4月、ロシア・サンクトペテルブルク)=AP

【キーウ=共同】米ブルームバーグ通信は26日、ロシアのドミトリエフ大統領特別代表が10月末、ウシャコフ大統領補佐官に対し、ロシアが起草した和平草案を非公式に米国に提供し、米国側が作成した案として扱わせることを画策していたと報じた。両氏の通話記録を入手したという。

通話記録によるとウシャコフ氏は、米国が草案から項目を削除したり修正したりした上で当事国に合意を迫る可能性に懸念を伝えた。ドミトリエフ氏は、米国は草案をそのまま受け入れないとしても「非常に近い内容の案を作ると確信している」と述べた。

その後、米国は28項目の和平案をウクライナに提示。極めてロシア寄りの内容だったが、ロシア政府は「米国から公式に和平案を受け取っておらず、具体的な議論もされていない」と説明していた。

一方、ブルームバーグは米国のウィットコフ和平交渉担当特使がウシャコフ氏と10月14日に電話会談した際の通話記録も報じた。ロシア側がトランプ大統領に取り入るための対応方法を助言するなどロシア寄りの姿勢が際立っていた。

ウィットコフ氏は米ロ首脳電話会談の開催を求めたウシャコフ氏に対し、同17日にウクライナのゼレンスキー大統領がホワイトハウスを訪れる予定なので、それに先立って電話会談を実施すべきだと提案。パレスチナ自治区ガザの停戦合意をトランプ氏が主導したことを称賛すれば会談がうまくいくと伝えていた。電話会談は16日に実施された。

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