豪雨による洪水で浸水した街を歩く市民ら(23日、タイ南部ソンクラー県)=ロイター

【バンコク=共同】タイ南部ソンクラー県ハジャイを中心に広範囲で発生した豪雨による洪水で、死者が100人を超えた。タイ警察が27日、地元当局の遺体収容状況を基に明らかにした。

一部市街地で3メートル近くまで上昇した水位は下がり始めたが、建物の屋上や上層階で孤立した市民の救援が続いた。対応の遅れを指摘する声も上がった。

政府の災害対策本部によると、南部9県で約107万世帯の約295万人が被災した。南部では19日ごろから断続的に豪雨が発生。政府は25日にソンクラー県に非常事態を宣言し、軍や警察が水上バイクやボートで救助活動を展開した。

タイメディアによると、市民から避難指示が遅かったとの批判があり、地元当局は否定した。ハジャイは南部の中心都市でマレーシアからの観光客も多い。

タイでは来年3〜4月にも総選挙が見込まれ、政府は被災者への無利子融資や債務返済猶予などの支援策を打ち出して批判払拭を図る。

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