ウクライナ・キーウで開かれた退役軍人支援の会合に参加した人々=11月(ゲッティ=共同)

 ロシアとウクライナの和平案の協議が行われる中、ロシアの侵攻で負傷するなどして退役したウクライナの軍人の社会復帰が課題となっている。政府によると、東部で戦闘が始まって以降、退役軍人は130万人以上に増加。起業や再就労の道を探り、政府も支援する。侵攻長期化でさらに増えるとの予測もあり、対策が急務だ。  東部ドネツク州で領土防衛隊の一員として地雷除去に当たった経験があるウラジスラフ・イェシチェンコさん(27)は、念願だった自動車用品会社を立ち上げた。首都キーウにオフィスを構え「100%成功させる」と自信を語った。  ロシア軍との戦闘の前線付近で地雷除去をしていた2022年8月、予期せず爆発に巻き込まれ視力と聴力を失う大けがを負った。退役軍人向けの年金を受け取るが、家族を養うには不十分だった。  そこで友人らの助けを借りて政府が管轄する退役軍人向けの起業助成金プログラムに応募。自動車関連会社に勤めた経験も生かし、約4倍の選考を通り資金を獲得した。  ウクライナ政府は既に起業や就業支援の助成金制度を次々に創設している。

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