ウォール街

【NQNニューヨーク=戸部実華】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比111ドル50セント高の4万7994ドル40セントで推移している。米国の利下げを見込んだ買いが引き続き相場を支えている。半面、前日までの上昇を受けて利益確定の売りも出やすく、小幅に下げる場面があった。

米労働市場の減速を背景に米連邦準備理事会(FRB)が9〜10日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めるとの観測が高まっている。

米調査会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは4日、米雇用者が発表した人員削減数は1〜11月累計で117万人に達し、2020年以来の高水準だったと発表した。

4日発表の週間の新規失業保険申請件数は19万1000件とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万件)を下回り、22年9月以来の低水準となった。ただ、市場では「この時期は大きく変動しやすく1週間だけの数値は深読みしない」(オックスフォード・エコノミクスのナンシー・ホウテン氏)との受け止めがあった。

主力株への買いが一巡した後、ダウ平均は一時下落に転じた。11月半ばに大きく下げた後は上昇傾向にあり、直近の安値を付けた11月20日から前日までに2100ドルあまり上げた。11月12日に付けた最高値(4万8254ドル)が視野に入り、利益確定の売りが出やすい。

個別銘柄ではエヌビディアやJPモルガン・チェース、アメリカン・エキスプレスが買われている。半面、メルクやスリーエム(3M)は売りが先行した。セールスフォースはもみ合っている。前日夕発表の25年8〜10月期決算で売上高は市場予想をやや下回ったが、26年1月期通期の収益予想は上方修正した。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も一進一退で始まった。メタプラットフォームズの上昇が目立つ。メタバース(仮想空間)事業の予算削減を検討していると米ブルームバーグ通信が4日伝えた。人工知能(AI)インフラの構築に積極投資するなか、利益圧迫への懸念後退につながった。

一方、アルファベットのほか、マイクロン・テクノロジーやインテルなど半導体株の一角は下げている。

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