7日に投票が行われた香港の立法会選挙(議会、定数90)は8日に開票を終え、親中派が全議席を獲得した。1998年に最初の立法会選挙が行われて以降、親中派が議席を独占するのは初めて。民主派に加えて「中間派」も不在となり、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が掲げる「愛国者による香港統治」がさらに徹底される形だ。
一般有権者による直接投票枠の投票率は31・9%で、過去最低だった2021年の前回選挙を1.7ポイント上回った。中国政府の香港マカオ事務弁公室は8日、選挙結果について「投票率は前回を大きく上回っており、香港の民意を十分に代表したものだ」とする報道官談話を発表。選挙の「成功」を強調した。
一方、投票率は前回を上回ったとはいえ、過去2番目に低い。また香港メディアの集計によると、今回の直接選挙枠の投票総数に占める無効票の割合は3%を超え、過去最高となる見通し。香港市民の選挙に対する冷ややかな姿勢も浮き彫りになった。
香港では21年に選挙制度が改変され、「愛国者」と認められなければ立候補できない仕組みになった。民主派は前回に引き続き、今回も候補者を立てなかった。唯一の「中間派」とみられる現職議員が所属する政党も候補者擁立を断念した。
民主派が不在の選挙で大きな争点がないなか、投票率が今回の選挙の焦点だった。香港政府は投票時間の延長などで投票率向上をはかっていた。
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