ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏(1月、カラカス)=ロイター

【オスロ=共同】ノーベル賞委員会の補佐機関ノーベル研究所(ノルウェー・オスロ)は9日、同日午後1時(日本時間同午後9時)にオスロで予定されていたノーベル平和賞受賞者の記者会見が中止になったと明らかにした。今年はベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏(58)が選ばれていた。

受賞者の記者会見は例年、10日の授賞式の前日に開かれる。マチャド氏は強権的な反米左派マドゥロ政権の迫害から身を守るためにベネズエラ国内で身を隠してきたが、授賞式出席のため「オスロに行く」と表明。ただ、ノーベル研究所はオスロ入りの方法や到着時期は明らかにできないと説明した。

AP通信によると、本人が授賞式などに出席すれば、公の場に姿を見せるのは1月以来初めてとなる。

マチャド氏は弾圧に屈せず強権的なマドゥロ政権に抵抗し、反政権運動を展開してきた。当局の捜査対象となり、国外渡航が原則禁止されている。出国すれば逃亡と見なされ、帰国時に拘束される恐れがあるため、授賞式出席は困難とみられていた。

2024年の大統領選では立候補が禁じられたが、代理として出馬したゴンサレス氏と共に支持を訴え、野党の選挙活動を率いた。選挙後は、拘束されないよう居場所を隠しながらオンラインで情報を発信している。

ノーベル賞委員会は今年10月、国民のために「民主的権利を促進してきた取り組み」を評価し、マチャド氏への平和賞授与を決めたと発表。近年の中南米で「類いまれな勇気を示した」と称賛した。

授賞式のため、米国在住の長女アナ・コリナ・ソーサ氏ら家族も8日にオスロに駆け付けた。授賞式にはゴンサレス氏のほか、マチャド氏を支持するパラグアイ、パナマ、エクアドル、アルゼンチンの中南米4カ国の首脳も出席を予定している。

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