ナセル病院への攻撃で死亡したカメラマンの遺体を収容する救助隊員ら=ロイター

【エルサレム=共同】イスラエル軍は25日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスにある南部最大のナセル病院を攻撃し、ガザ保健当局によると医療従事者や患者、報道関係者を含む20人が死亡した。現地からの報道によると、病院に無人機攻撃があり救助隊や報道陣が集まった後、再び攻撃されたという。中東の衛星テレビ、アルジャジーラやAP通信、ロイター通信で働いていたカメラマンが死亡した。

ガザ当局は2023年10月の戦闘開始後に死亡したジャーナリストは244人になったと発表した。イスラエル軍は攻撃について速やかに調査するとした。ガザ保健当局は25日、戦闘開始後のガザ側死者は6万2744人、飢餓や栄養失調による死者は300人になったと表明した。

一方、イスラエルメディアは24日、ガザの中心都市、北部ガザ市制圧計画を巡り、軍が予備役兵士を9月と11月、来年3月と段階的に動員する見通しだと伝えた。兵士の士気維持やイスラム組織ハマスが拘束する人質の安全確保のため作戦を慎重に進める姿勢という。戦闘は一段と長期化の様相を呈している。

イスラエル軍は制圧計画の実施に向け、予備役約6万人を招集する方針。ネタニヤフ首相はハマスとの停戦交渉を再開する方針を示しており、武力でハマスに圧力をかけ、全人質の解放や武装解除などイスラエルの要求受け入れを迫る狙いだ。

イスラエル紙ハーレツによると、ザミール軍参謀総長は政府に対し、ガザ市の住民の退避先が整備されなければ大規模攻撃を開始しないと伝えた。ガザ市では推定100万人が避難生活を送っているとみられ、実行に踏み切れば住民にさらなる犠牲が増える。ネタニヤフ氏は作戦の迅速化を求めているが、軍との足並みの乱れが目立っている。

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