
米スタートアップのロケット・ラボは14日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「小型実証衛星4号機」を搭載した小型ロケット「エレクトロン」の打ち上げに成功し、目標軌道に投入したと発表した。エレクトロンはニュージーランド・マヒア島から打ち上げられた。JAXAは衛星の機器が機能するかどうかを確認している。今後、約13カ月間の運用で性能を評価する。
小型実証衛星4号機は次世代の人工衛星に必要な技術を宇宙で実証する。軌道上にちらばる「宇宙ごみ」の発生防止に役立つなど、役割の異なる8つの機器を搭載しそれぞれの機能を確かめる。当初は国の小型基幹ロケットでの打ち上げを計画していたが、開発が遅れていることから代替手段を確保した。

三菱重工業が開発と運用を担当する約1メートル四方の小型衛星に各企業が開発した8つの機器を搭載する。NTTや三菱電機をはじめ、小型衛星向けのエンジン開発を手掛けるPale Blue(ペールブルー、千葉県柏市)などのスタートアップも今回の計画に参加する。
運用期間の終盤には、アクセルスペースホールディングスが開発した装置で運用後の衛星が宇宙ごみになるのを防ぐ実証を予定する。
JAXAが主導する「革新的衛星技術実証プログラム」は人工衛星技術などを産業化する目的で始まった。今回の実証衛星4号機は、小型基幹ロケット「イプシロン」の後継機「イプシロンS」による打ち上げを予定していた。だが、24年11月に2段目エンジンの燃焼試験中に爆発が起きるなどして開発が遅れていた。現在も原因究明を進めている。
当初の計画では今回打ち上げた小型実証衛星4号機と同時に、さらに小さい超小型衛星「キューブサット」も8基打ち上げる予定だった。エレクトロンはイプシロンSよりも小さいため、2回に分けて打ち上げる。残りのキューブサット8基は26年1〜3月ごろの打ち上げを予定している。
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