トランプ米大統領は15日、英公共放送BBCのドキュメンタリー番組で演説を意図的に編集されて名誉を傷つけられたとして、同局に計100億ドル(約1兆5500億円)の損害賠償を求める訴えを、米フロリダ州の連邦地裁に起こした。トランプ氏は米メディアを対象に訴訟を次々と起こしているが、海外メディアにも広げたかたちだ。
トランプ氏が問題としているのは、BBCが2024年10月に放送した、看板ドキュメンタリー番組「パノラマ」の内容。訴状などによると、トランプ氏が21年1月に支持者向けに行った演説を意図的に編集し、直後に起きた連邦議会議事堂の襲撃をあおったかのように見せたとしている。
この問題をめぐっては、今年11月にBBC会長が辞任し、BBCも「誤った印象を与えた」としてトランプ氏に謝罪している。しかし、トランプ氏側が求めていた補償の要求は拒否してきた。番組は米国で放送されていないが、トランプ氏側は訴状で、ストリーミングなどの方法で視聴できたと主張している。
トランプ氏はこれまで、CBS、ABC、ニューヨーク・タイムズなど米メディアを相手に巨額の賠償を求める訴訟を起こしてきた。15日にはホワイトハウスで記者団を前に、BBCについて「私が口にもしていない言葉を話しているように見せた」と批判していた。
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