
【シドニー=共同】オーストラリア・シドニーのボンダイビーチ付近で起きた銃乱射事件で、複数の市民らが容疑者親子の制止を試みていたと地元メディアが17日までに報じた。立ち向かって命を落とした夫婦もいた中、中東出身の男性(36)は「(人としての)務めだった」と振り返る。
捜査当局は17日、現場で拘束した息子のナビード・アクラム容疑者(24)を計15人を殺害した容疑などで訴追した。父親のサジド容疑者(50)は現場で射殺された。
事件後、SNS上では当時の様子をとらえた映像が多数出回った。サジド容疑者に飛びかかり銃を奪ったシリア出身のアハメドさん(43)が「英雄」と称賛されている。
公共放送ABCが17日「2人目の英雄」と紹介したのは、地元在住のボリス・グルマンさん(69)。車載カメラの映像を分析したところ、ボリスさんはサジド容疑者ともみ合って銃を奪っていた。妻(61)が駆け寄り、ボリスさんが銃を振りかぶると、サジド容疑者は後退。だがその後の画像などでは、夫婦は歩道上で重なるように横たわっていた。
中東出身の男性は、負傷しながら発砲するナビード容疑者に突進して銃を蹴り飛ばし、安全確保に貢献した。オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙の取材に、男性は「自分の家族がここにいたら(守らないといけない)と思って行動した」と証言。同紙は「英雄に変わりない」とたたえた。
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