【ロンドン=時事】北欧フィンランドで、国会議員らがアジア人への人種差別的ジェスチャーと見なされる「つり目」ポーズの写真を投稿し、批判を浴びている。オルポ首相が16日、記者団に「(イメージ悪化で)国に損害を与えている」と述べるなど、政界中枢を巻き込む騒動となっている。

フィンランドの連立与党議員が投稿した「つり目」ポーズの写真(本人のフェイスブックから)=共同

発端は今年のミスコンテントで優勝した女性が11月、指で両目尻をつり上げた写真を「中国人と食事する」とのキャプションを付けてSNSに投稿したことだった。写真が拡散され、「差別的」と非難が殺到。女性は先週「ミス」の称号を剝奪された。

AFP通信によると、これを受けて与党連合の一角を成す右派フィン人党の国会議員2人と欧州議会議員1人が「女性を擁護する」と同じポーズで写真を投稿し、騒ぎが拡大。与党国民連合の議員連盟議長は16日に「(投稿は)侮蔑的で不適切だ。このようなことは今も、将来も起きるべきでない」と非難する声明を出した。

フィンランド航空(フィンエアー)のX(旧ツイッター)の日本語アカウントには「この国に旅行するな」「フィンエアーに乗るな」といった複数の投稿が寄せられた。

在日フィンランド大使館は17日、Xに「心からおわび申し上げる」とするオルポ氏の声明を日本語で掲載。同氏は「人種差別はフィンランド社会にあってはならないものだ」と強調した。

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