欧州連合(EU)の首脳会議は18日、EU加盟国で共同借り入れし、ウクライナに900億ユーロ(約16・4兆円)を融資することで合意した。EUは、域内で凍結しているロシア中央銀行の資産を原資にした融資策を模索してきたが、ロシアから報復を受けるリスクを前に折り合えず、凍結資産の活用を先送りした。
ブリュッセルで開かれたEU首脳会議の最大の焦点は、ロシアの凍結資産を活用したウクライナ融資策「賠償ローン」の合意だった。ロシアが戦後に負う戦争賠償を前倒しして活用する立て付けで、凍結中のロシア資産900億ユーロをEUが無利子でウクライナに融資する構想だった。
しかし、欧州で凍結資産の大半を保管する決済機関「ユーロクリア」があるベルギーが、ロシアからの返還請求や損害賠償訴訟のリスクから強硬に反対。無制限の財政保証や、英国などEU域外の国との負担分担を求めた。協議は15時間に及んだが、ロシアの凍結資産を活用した融資では合意できなかった。
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