カリブ海で拿捕(だほ)されたタンカーと米軍のヘリコプター(20日)=ロイター

【ワシントン=共同】ノーム米国土安全保障長官は20日、沿岸警備隊が国防総省の支援を受け、南米ベネズエラを出港した石油タンカーを拿捕したとX(旧ツイッター)で発表した。10日にも沖合で大型の石油タンカーを拿捕しており2隻目。トランプ政権は米国への麻薬密輸に関与しているとしてベネズエラの反米マドゥロ政権への圧力を強めている。

ノーム氏は「この地域で麻薬テロの資金源となっている石油の違法な輸送を今後も追跡して阻止する」と強調。ホワイトハウス副報道官は「タンカーには制裁対象となっているベネズエラ国営石油会社の石油が積載されていた」と指摘した。

ベネズエラ政府は20日、拿捕を「国際的な海賊行為」と非難した上で、国連安全保障理事会への申し入れなどを検討すると明らかにした。

米メディアによると、タンカーはカリブ海の公海上で20日未明に拿捕された。パナマ船籍で、香港の会社「センチュリーズ・シッピング」が所有。約180万バレルの石油を積載していた。偽の船名を使っていたとみられ、米国の包囲網をかいくぐって輸出を試みたという。

トランプ大統領は16日、ベネズエラを出入りする制裁対象の石油タンカーについて「全面封鎖」を命令。ベネズエラは世界有数の産油国で、8割は中国向けに輸出されている。1回目の拿捕後、ベネズエラの石油輸出量は急減しているとされる。

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