
【NQNニューヨーク=稲場三奈】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落して始まり、午前9時35分現在は前日比136ドル89セント安の4万4785ドル38セントで推移している。
朝発表の7月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回る伸びだった。米政権の関税政策が物価上昇につながるとの懸念が再浮上し、売りが広がっている。ダウ平均の下げ幅は200ドルを超える場面がある。
PPIの上昇率は前月比で0.9%と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.2%)を上回った。食品・エネルギーを除くコアも0.9%と、市場予想(0.3%)以上だった。
市場では「消費者はまだ実感していないとしても、インフレが経済全体に広がっていることを示した」(ノースライト・アセット・マネジメントのクリス・ザッカレリ氏)との受け止めがあった。
12日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)がおおむね市場の予想通りだった後で、トランプ政権の高関税政策がインフレ圧力の上昇につながるとの警戒が再燃した。米債券市場では、金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りが一時前日比0.06%高い(債券価格は安い)3.73%を付けた。
米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げに踏み切るとの観測が根強いものの、PPIが市場予想を上回ったことで株売りが出ている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日まで、連日で最高値を更新した。ダウ平均も高値圏で推移しており、前日までの2日間で940ドルあまり上げた。短期的な過熱感が意識されやすい。
個別では、ナイキやホーム・デポ、キャタピラーといった景気敏感株が下げている。前日夕に四半期決算を発表したシスコシステムズも売られている。半面、アマゾン・ドット・コムやビザが上昇している。
ナスダック総合は3日ぶりに反落して始まった。
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