中国軍東部戦区が台湾周辺で始めた軍事演習は30日、2日目を迎えた。中国は過去の演習よりも台湾に近い距離で演習をしていることを強調し、軍事的な圧力を強める。一方、トランプ米大統領は「何も心配していない」と述べ、演習に批判的だった従来の米政権の立場から距離を置く姿勢を示した。
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東部戦区の発表によると、30日は台湾本島の東の海域に強襲揚陸艦や無人航空機を展開させ、主要港の制圧演習を実施した。また北側では陸軍が、南側では陸海空軍とミサイル部隊である「ロケット軍」が長距離の実弾射撃も行ったという。
台湾の国防部(国防省に相当)によると、中国軍は福建省から台湾の北側と南西側の海域に設けた演習区域に向けて計27発の多連装ロケット砲を発射した。
心理的な圧力か
中国側は2日間の演習を通じ、より台湾に近い区域で封鎖能力を高めていることを強調している。台湾を取り囲むように設定された30日の演習区域は、南と東の海域で過去の演習より大きく台湾側に張り出していた。
また、国営中央テレビは29日夜、中国軍のドローン(無人機)が撮影したとする台北の超高層ビル「台北101」の遠景の動画を公開。撮影日時や地点は示されていないが、中国軍が迫っているという心理的な圧力を与える狙いがあるとみられる。
一方、トランプ氏は29日、「彼ら(中国軍)は20年も25年もやってきたことだ」などとして、今回の演習を特段、問題視しない考えを示した。米政権は従来、「深刻な懸念」を表明するなどしてきたが、通商交渉をめぐって中国との関係の安定化を優先しているとの見方が強まっている。
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