ルワンダの子どもたちに絵を教え、人生を切りひらくためのサポートをしてきた画家の鈴木掌さん(39)が12月9日、インド北部ビハール州で子どもたちと絵を描くプロジェクトに参加した。

 訪れたのは約200世帯の千人が暮らす山間部のラフィ村。近くに学校がないため読み書きや計算ができない子どもが多く、日本のNPO法人「結び手」が教育支援活動を続けてきた。NPOによると月収2千~3千ルピー(約3500~5200円)ほどの家庭がほとんどで、朝晩の決まった時間に1日2回しか給水されないなど、厳しい暮らしをしている。

  • 内戦動かすレアアースの利権 市民に届かぬ恩恵、汚染で荒廃する自然

 鈴木さんはJICAの青年海外協力隊員として、民族対立や内戦を経たルワンダへ2011年に派遣されたのをきっかけに、現地で約5年間、服づくりを指導。帰国した16年に本格的に絵画制作を始め、19年から継続的に年2回、ルワンダで子どもに絵を教え、買い取って商品として販売する活動を続けてきた。自分が描いた絵の価値が認められることが、子どもたちの自信につながってきたという。

 今回は笹川平和財団の招きでインドへ。子どもたちが学校として使っているスペースでまず鈴木さんのライブパフォーマンスがあり、キャンバスに重ねた絵の具から次第にトラの姿が現れると、拍手がわいた。集まった100人以上の子どもたちは蛍光色のアクリル絵の具を使って、花やインドの国旗、家などを描いた。

 鈴木さんは「アートで人は自由になれる。絵を描くことが好きなら描き続けて」と呼びかけた。

 鈴木さんのインドでの活動はニューデリーとコルカタ、ラジャスタンに続き4カ所目。継続的に関わる可能性を模索している。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。