
【イスタンブール=時事】イランで深刻な経済低迷などに抗議するデモが広がっている。ファルス通信は1日、デモ隊と治安部隊の衝突で西部ロレスタン州などで5人が死亡したと報道。治安部隊は革命体制打倒を求める大規模デモに発展する事態を警戒し鎮圧を急いでいるもようで、衝突の激化が懸念される。
地元メディアによると、デモは昨年12月28日、首都テヘランの商店主らが通貨急落や物価高騰などに不満を訴え、店を閉めて抗議したことを機に拡大。その後、中部イスファハンや北東部マシャドなど各地へ波及し、学生らも街頭での抗議活動に加わった。
一部のデモ隊は警察や治安部隊へ投石し、政府関連庁舎を襲うなど暴徒化。これに対し、治安部隊は実弾も使用して強制排除を試みているとの情報がある。
ペゼシュキアン大統領はX(旧ツイッター)で「デモ隊代表者との対話を通じ、国民の正当な要求に耳を傾けるよう内相に指示した」と主張し、平和的な問題解決の方針を強調した。ただ、日を追うごとにデモの発生が伝えられる中、早急に収束に向かうかは見通せない。
トランプ米大統領は2日、SNSの投稿で「イランが平和的に抗議する人々に発砲して暴力的に殺害すれば、米国は抗議者の救助に駆け付ける」とけん制。ただ、具体的な手段には言及しなかった。米国は昨年6月、イスラエルと共にイランの核施設を空爆している。
イランの経済は米国の強力な制裁などで疲弊し、昨年9月には2015年の核合意で停止されていた対イラン国連制裁も復活した。通貨リアルは昨年末には対ドル実勢レートで過去最安値を更新し、過去1年間で7割超も下落した。
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