▼船舶自動識別装置 船の衝突防止や運航管理のため、国際条約で大型船舶などに搭載が義務付けられている装置。英語の略称はAIS。周辺の船や、人工衛星、地上局などと信号をやりとりし、船の識別番号や位置、速度、目的地、積み荷の状況などの情報を即座に共有する。

AISのデータをもとにした船舶情報サイトで、船の動きをリアルタイムに確認できる。近年では、海の安全確保という本来の目的だけでなく、海上輸送に着目したマクロ経済の分析にも応用されている。通関などのデータと組み合わせれば、国際的なモノの流れを詳細に調べることができる。

制裁を受けている船は、寄港地を欺いたり、海上での違法取引を隠したりするため、AISの信号を遮断することが多い。「スプーフィング(なりすまし)」と呼ばれる、実際の居場所と異なるAIS信号をわざと発信する手法も横行している。AISの搭載義務がない漁船や小型船も含め、不正行為を監視するには、衛星画像などのデータを組み合わせることが一般的となっている。

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