東大寺(12日、奈良市)

高市早苗首相と韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は13日に奈良で会談する。多くの歴史的建造物を擁する奈良は、古くから大陸や朝鮮半島からの渡来人が文化を伝承するなど、日韓の「交流の原点」として深いゆかりがある。

奈良での首脳会談は李氏から提案した。2025年10月に韓国南東部・慶州(キョンジュ)で開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)にあわせて両首脳が会談した際、李氏が奈良を訪れたいと話したところ、高市氏が快諾したという。

首脳会談で地元・奈良の話題が出ると高市首相は「ナラという言葉はもともと韓国語で国を意味する言葉で、奈良県民はよく知っている」と返したという。奈良県内には「百済」という地名もあり、渡来人が多く居住したことが由来とされている。

APECの開催地だった慶州は紀元前57年から西暦935年までおよそ1000年ほど続いた新羅の首都だ。世界遺産が点在しており「屋根のない博物館」とも呼ばれる。古墳などの史跡も多く残っており、伝統的な街の雰囲気は奈良にも通ずる。

韓国の慶州市と奈良市は55年にわたり姉妹都市の関係でもある。奈良県によると8世紀ごろ、奈良と新羅の首都だった慶州は人の往来があった。当時の友好関係を現代によみがえらせたいとの思いで姉妹都市として連携したという。

奈良には当時の朝鮮半島との交流がうかがえるものが多く残る。

シルクロードを経て伝わったとされる多くの宝物を集めた奈良市の正倉院には韓国の伝統楽器、伽耶琴(カヤグム)によく似た「新羅琴」が保存されている。新羅や百済で使われていた墨も残されており、交易があったことがうかがえる。

世界遺産の東大寺の大仏もその1つだ。大仏造立の総指揮を執ったと考えられている国中公麻呂は百済からの渡来人がルーツにあるとされる。大仏殿の建築にも渡来人が技術者として携わったとみられている。

両首脳は今回の首脳会談のなかで法隆寺などを訪れる予定だ。1300年前から人が往来し、政治的・文化的にも活発な交流が続いてきた日韓の歴史を振り返りつつ「未来志向」の日韓関係に向け協力策を話し合う。

(小林恵理香)

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