オーストラリア最大都市シドニー郊外のボンダイビーチで15人が死亡した銃乱射事件から、14日で1カ月が経った。事件当時、現場ではユダヤ教の行事が行われていたことから、当局はテロ事件として捜査し、アルバニージー首相はヘイトスピーチの規制を強化すると表明した。
事件から1カ月となる14日、現場では足を止めて祈る人たちの姿があった。花などが手向けられた現場には「あなたの笑顔がもっと輝きますように」と犠牲者へのメッセージが添えられていた。現場を訪れていたユダヤ教徒の男性(22)は「豪州にはいまだ反ユダヤ主義が存在している。差別がなくなってほしい」と語気強く語った。
1カ月が経ち、ビーチはにぎわいを取り戻している。1991年からライフガードを務めるブルース・ホプキンスさん(57)によると、「事件後の数日間は慰霊のために多くの人が訪れ、ビーチ本来の雰囲気ではなかった。豪州史上最悪の事件の一つで、二度と起きるべきではない」と話した。
地元警察によると、銃撃したのはシドニー郊外に住む親子。現場では当時、ユダヤ教の祭り「ハヌカ」を祝う人が集まっており、2人は行事の参加者に向けて銃を乱射し、手投げ弾も投げ込んでいたという。15人が死亡、40人以上が負傷した。
父親のサジド・アクラム容疑者(50)は現場で警察官に射殺された。息子のナビード・アクラム被告(24)は殺人やテロ行為など59件の罪で起訴された。ナビード容疑者も警察の発砲を受けて負傷しており、取り調べに応じているかなどの詳細はわかっていない。公判は4月に予定されている。
事件の背景には、反ユダヤ主義が指摘されている。警察によると、ナビード被告は19年に過激派組織「イスラム国」(IS)の関係団体との関係を理由に捜査を受けていた。銃撃の現場に残されていた親子2人の車両からは、ISの旗が見つかっている。
豪州では、パレスチナ自治区ガザでイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が始まって以降、ユダヤ系の施設などを狙った破壊行為などが起きていた。2024年10~12月には、ユダヤ系のレストランやユダヤ教の礼拝所が相次いで襲撃を受けた。政府はイランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊」が関与していたとして、駐豪イラン大使を国外追放した。
政府は近く連邦議会で、反ユダヤ主義対策を念頭に「憎悪」を説く説法者の取り締まりや、新たな銃規制強化などを盛り込んだ法案を提出する。
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