イスラエル軍は26日、パレスチナ自治区ガザで最後の1人となっていた人質の遺体を確認し、人質全員が戻ってきたと発表した。イスラエルは人質全員の返還を条件に、ガザ南部とエジプトの境界にあるラファ検問所の一部再開を表明しており、和平計画が進展するかが注目される。
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トランプ米政権は14日、ガザの和平計画の第2段階への移行を発表したが、「第1段階」で合意された人質の解放や人道支援物資の搬入について、イスラム組織ハマスは1人の遺体を返還しておらず、イスラエルはラファ検問所などを閉鎖したままだった。第2段階ではハマスの武装解除などの難題に道筋がつけられるかが焦点となる。
軍によると、26日に確認された遺体はイスラエル警察に所属していた男性で、23年10月の戦闘開始時に死亡し、遺体がガザに奪い去られた。今月下旬からガザ北部で捜索していた。
イスラエル首相府は26日の軍の発表に先立ち、最後の人質の捜索が終わり次第、ラファ検問所について、イスラエルの完全な管理下に置くことを条件に、歩行者に限定して再開すると発表していた。ネタニヤフ首相は国会で「もはやガザに人質はいない」と演説し、「次の段階はハマスの武装解除とガザの非軍事化だ。復興ではない」と発言した。
ハマスは26日、声明を出し、今回の遺体の返還が停戦合意に基づくハマス側の「多大な努力の結果だ」と強調。人質がすべて解放されたことで、イスラエルによる「占領の口実はなくなった」とし、ラファ検問所の制限のない開放や、支援物資の搬入許可、イスラエル軍のガザからの完全撤退などを求めた。仲介国などにも合意の履行を求めるよう訴えた。
ガザの和平計画を主導してきたトランプ米大統領は15日、ガザの暫定統治機関の監督をする平和評議会を発足させ、自らが議長に就いた。最後の人質の遺体が返還された26日に米メディアのアクシオスの取材に「今こそハマスを武装解除しなければならない」と訴えた。
ただ、これまで「最大の交渉カード」だった人質の返還に応じたハマスも、イスラエル軍がガザで展開を続けていることなどに反発し、武装解除には慎重な姿勢を見せている。
ハマスの武装解除が任務に含まれる可能性がある国際安定化部隊の参加国や展開の見通しも立っていない。イスラエルが対立するトルコの同部隊への参加を拒否するなど、武装解除は難航が予想される。
一方、トランプ氏の長女の夫クシュナー元大統領上級顧問は22日、訪問先のスイスで「新しいガザ」と称する復興構想を公表し、ガザを観光や住宅、産業地区などに分け、高層ビルが並ぶ街づくりを進めると訴えた。
投資や雇用の創出も進め、2035年までにガザの域内総生産(GDP)を100億ドル(約1兆5千億円)超にし、世帯平均年収を1万3千ドル(約200万円)にするという野心的な目標も掲げた。ただ、クシュナー氏は「安全が確保されなければ、誰も投資しない」とも述べるなど、治安の維持が最優先との認識も示した。
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