内閣不信任決議案の投票の前に演説するルコルニュ首相(2日、パリ)=ロイター

【パリ=北松円香】フランスの国民議会(下院)で2日、2026会計年度(26年1〜12月)予算がようやく成立した。ルコルニュ首相は予算成立のため家計支援の強化など野党への譲歩を重ね、財政再建は当初想定より遅れる。一方で予算審議の行き詰まりに伴う再度の首相交代や議会解散といった政治的混乱は回避した。

2日の下院で野党の急進左派の「不服従のフランス(LFI)」と極右の国民連合(RN)がそれぞれ提出した内閣不信任決議案が否決され、憲法の規定に従って予算成立が確定した。

下院は左派と極右、中道の与党連合が勢力を三分して合意形成が難しいため、ルコルニュ氏は仏憲法の規定を適用して予算成立のための特別な手続きに踏み切っていた。同手続きでは首相は議会の投票を経ずに法案を採択できるが、内閣不信任決議が成立すると法案は無効になる。

成立した予算では26年度の財政赤字比率の国内総生産(GDP)比は5%を想定し、政府が当初目指していた4.7%より財政再建は後退する。

仏下院では与党連合が少数派のため、議会運営が困難になっている。短期間で首相交代が相次ぎ、25年秋に就任したルコルニュ氏が予算を成立させられるかが注目されていた。

ルコルニュ氏は受給開始年齢を引き上げる年金改革を棚上げするなどして、予算成立のために野党で中道左派の社会党の協力を取り付けた。今年秋の27年度予算案審議では与野党の攻防が繰り返される恐れがあり、仏内政の停滞はしばらく続きそうだ。

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