タイで8日、下院総選挙にあわせて憲法改正の是非を問う国民投票も実施された。軍事政権下で制定された現憲法は、王室や軍の強い権限を規定している。国王を支える軍や官僚など保守派が政敵を排除することを可能にしているとして、政治改革を求める勢力などが改正を求めていた。

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 憲法改正は、3回の国民投票で決まる。1回目の8日は、有権者に憲法改正について「賛成」「反対」「棄権」のいずれかのみを問う。賛成が過半数に達した場合、草案の作成など改正に向けた具体的な行程を決める2回目の投票に進む。

現憲法は2014年の軍事クーデター後に制定

 タイでは1932年の立憲革命後、20の憲法が制定された。現憲法は2014年の軍事クーデター後に制定され、保守派に有利な規定が多く含まれている。

 特に、保守派の影響下にある憲法裁判所を通じ、敵対勢力を排除する「司法クーデター」の根拠になっているとの批判もある。24年には、下院第1党の革新系野党「前進党」に、王室に対する不敬罪に抵触したとして解党を命令。24年と25年には、長年にわたり保守派と対立してきたタクシン派の首相(当時)に2代続けて解任を命じた。

 憲法改正を巡っては、下院第1党の革新系野党「国民党」が昨年9月の首相指名選挙で、第3党で保守派の「タイ名誉党」に対し、「憲法改正の発議と、4カ月以内の下院解散」を条件に名誉党のアヌティン党首への支持を約束。アヌティン氏はこれを受け入れ、国民党の支持を受けて対立候補に勝ち、首相となった経緯がある。アヌティン首相は昨年12月、下院の解散と国民投票の実施を表明していた。

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