
【NQNニューヨーク=田中俊行】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まり、午前9時35分現在は前日比175ドル68セント安の4万9219ドル48セントで推移していた。その後上げに転じ、300ドルあまり上昇する場面がある。米経済の減速への警戒感から売りが先行したが、米連邦最高裁がトランプ米政権の課した関税が憲法違反との判決を下し、見直し買いが優勢になった。
米最高裁は20日、トランプ米大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて発動した関税を巡り、「(IEEPAは)大統領に関税を課す権限を与えていない」と表明した。関税政策が見直されれば、景気や企業業績にプラスになるとの思惑から買いが入った。
20日発表された2025年10〜12月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率1.4%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(2.5%増)を大幅に下回った。個人消費が同2.4%増と7〜9月期(3.5%増)から鈍化したほか、政府機関の一部閉鎖の影響で政府部門の支出が落ち込んだ。
同日発表の25年12月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比0.4%上昇と市場予想(0.3%上昇)を上回った。市場では「根強いインフレと政府閉鎖がGDPの伸びを抑制した」(BMOキャピタル・マーケッツ)との声があった。米景気の先行き不透明感が意識されて、株には売りが先行した。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版は19日、トランプ米大統領はイランに核問題を巡る合意を迫るため限定的な軍事攻撃を検討していると報じた。イランが要求を受け入れなければ、イラン政権の打倒を目的とする広範な攻撃に至る可能性があるという。米国とイランの緊張関係が続き、持ち高調整の売りを促した面もある。
ダウ平均の構成銘柄ではゴールドマン・サックスが安い。運用する一部のプライベートクレジットファンドの解約請求を停止すると18日に発表していた米資産運用会社ブルー・アウル・キャピタルの株価が20日も下げるなか、ブラックストーンなど他の金融株への売りが続いている。
その他のダウ平均の構成銘柄ではウォルマートやウォルト・ディズニー、ユナイテッドヘルス・グループが下げている。一方、セールスフォースやアマゾン・ドット・コム、ナイキは上昇している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。アルファベットやマイクロン・テクノロジーが高い。一方、インテルやデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズに売りが出ている。
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