今回の党大会で最も目を引いたのは、金正恩(キムジョンウン)総書記による韓国への言及の仕方だ。「韓国との関係に残されたものは何もない」と言いながらも、その直後に「あるとすれば、我が国益に準じた冷徹な計算と徹底した対応だけだ」とも述べている。

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 これは米国との対話を意識したものだろう。金氏は米国向けに、条件次第で「良好に過ごせない理由はない」としている。韓国について、対米の調整・仲介役を含め、利用できるのであれば、完全に関係を遮断するものではない、という姿勢だ。

 ただ、韓国とは「最も敵対的な国家関係として確立」とまで言及している以上、南北関係については党規約が何らか修正される可能性はある。

祖父や父の威光から独立、体制確立への自信

 今回、対中国・ロシアへの言及がなかったのも対米関係が影響している。トランプ米大統領の東アジア政策の方向性は見えず、今後予定されている米中首脳会談を前に、うかつなことは言えない。

 通常兵器の強化を強調している点も注目すべきだ。ロシアの対ウクライナ戦争への参加を通じて、ドローンの利用を含む地上戦の経験やデータを得て、重要性の認識と自信を高めたはずだ。新たな国防計画の具体例の一つに、人工知能(AI)を使った無人攻撃機に触れているのも、そのためだろう。

 経済計画も成果を上げ、幹部人事では若返りを果たした。祖父や父の威光から独立し、名実ともに「金正恩体制」確立への自信がみてとれる。

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