日米両政府は19日(日本時間20日)、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化に向けた共同プロジェクトを公表した。米国内では三菱マテリアルのレアアース事業や三菱商事による銅鉱山事業などへの出資をはじめ、4つが対象になる。

公表は高市早苗首相とトランプ米大統領の首脳会談に合わせた。「日米重要鉱物プロジェクト」と名付け、「共同ファクトシート」で具体的な事業を発表した。

首相は重要鉱物に関し「具体的プロジェクトに関する協力など3つの文書を取りまとめることができた」と話した。会談後、記者団に語った。

三菱マテリアルは米中西部インディアナ州で現地企業が実施するレアアース事業への出資などを検討する。リサイクルや精錬能力の向上を巡り協議する。同社は英豪リオ・ティントと米国銅市場で連携する機会を探る。

三菱商事は米南西部アリゾナ州の「カッパーワールド銅鉱山」プロジェクトに出資し、共同開発を進める。2029年ごろから最大年間10万トンの生産を見込む。

米化学大手のアルベマールが手掛ける米南東部ノースカロライナ州のリチウムに関するプロジェクトでも、日本企業の参画の可能性を検討する。

日米が重要鉱物を巡る共同プロジェクトを進める背景には中国の動きがある。輸出を制限し、対立する国に経済的な威圧を強めている。

サプライチェーンが途絶えれば、経済活動に影響が出る。日米が連携を深めることで、生産コストが低く、安価で輸出できる中国に依存する現状を改善する。

日米両政府は同時に重要鉱物のサプライチェーンの強靱(きょうじん)性に関するアクションプラン(行動計画)をまとめた。「重要鉱物は現代的かつ革新的な産業経済にとって不可分な戦略的資産だ」と強調した。

「多様で、強靱で市場に基づくサプライチェーンが経済安全保障や国家安全保障にとって不可欠であるため、脆弱性を是正することが必要不可欠だ」と記した。協調備蓄や、新技術の研究開発、鉱物の位置情報の共有で連携する。

日米で海洋鉱物資源の開発に向けた覚書も結んだ。作業部会を設置し、小笠原諸島・南鳥島(東京都)沖のレアアースの情報共有を通じ協力の可能性を探る。

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