8月30日、ヨルダン川西岸の占領地ヘブロンで警戒にあたるイスラエル兵ら=ロイター

【エルサレム=共同】米ニュースサイト、アクシオスは8月31日、9月の国連総会に合わせてパレスチナを国家承認する方針を示した各国への対抗措置として、イスラエルが占領地ヨルダン川西岸の一部併合を検討していると報じた。実際に併合に踏み切れば、パレスチナとの「2国家共存」は事実上不可能になりかねず、各国が反発するのは必至だ。

ただ、アクシオスによると、トランプ米大統領は過去に、イスラエルによる西岸併合の計画を阻止した経緯がある。米当局者はトランプ政権が今回、併合を支持する可能性は低いとみているという。

イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザで人道危機が深刻化する中、フランスやカナダのほか、条件付きながら英国などが相次いでパレスチナを国家承認すると表明。これに対し、トランプ政権はパレスチナ自治政府やパレスチナ解放機構(PLO)関係者のビザ発行を拒否すると発表し、親イスラエルの姿勢を鮮明にしている。

イスラエル軍は31日もガザ各地への攻撃を続行。軍は30日の攻撃で、イスラム組織ハマス軍事部門のアブオベイダ報道官を殺害したと発表した。ザミール軍参謀総長は「これで終わりではない」と述べ、国外にいるハマス指導部も標的にすると警告した。

ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始後のガザ側死者は6万3400人以上。飢餓や栄養失調による死者は330人を超えている。

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