国連総会は去年12月、核戦争が起きた場合の地球規模の影響を調査する独立した科学者パネルを設置する決議をロシアなどの核保有国が反対する中、賛成多数で採択しました。

これを受け国連本部では4日、推薦や選考を経て選ばれた21人の専門家が初会合を開き、日本からは長崎の被爆者で放射線の人体への影響を研究してきた医師の朝長万左男さんが参加しました。

科学者パネルでは核戦争の地球規模での影響について、医療や環境、農業などさまざまな分野で研究を行い再来年の国連総会に最終報告書を提出することにしています。

国連で軍縮部門のトップを務める中満泉事務次長は会合で「核戦争の脅威は国境や社会の一部分に限定されるものではない。包括的かつ分野を超えた方法で捉えなければならない」と述べ、調査への期待を示しました。

また朝長さんはNHKの取材に対し「核戦争が起きれば人類は滅亡すると言われるが根拠のあるデータを出せるのか、そこにチャレンジすることになる」と話し、科学的な調査結果を核保有国に突きつけたいと抱負を述べました。

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