リスボンで脱線事故を起こしたケーブルカー(4日、リスボン)=ロイター

【パリ=北松円香】ポルトガルのリスボンで3日起きたケーブルカーの脱線事故で死亡者16人のうち欧州を中心に外国人が11人にのぼり、各国に衝撃が広がっている。事故が起きたケーブルカーの路線は1885年に開業し、坂の多いリスボンの象徴として観光客にも人気だった。

仏AFP通信によると死亡者の国籍はポルトガルが5人、英国が3人、韓国とカナダが2人ずつ、フランス、スイス、米国とウクライナが1人ずつだった。夏は観光シーズンで、外国籍の被害者が増えたとみられる。在ポルトガル日本大使館によると5日時点で日本人の死傷者は確認していないという。

マクロン仏大統領や英国のスターマー首相など各国首脳は相次ぎ哀悼の意を表明した。米欧の主要メディアも連日事故について報じている。

事故が起きた路線「グロリア線」のケーブルカーは3日午後6時(日本時間4日午前2時)ごろに脱線し、建物に衝突した。詳しい原因はわかっていない。

ケーブルカーを運営する公共交通機関カリスは3日、毎日の点検や週次、月次の管理などはすべて実施されていたと発表した。事故を受け、他の路線も含めて運行を停止した。

ポルトガル当局は5日に事故の状況に関する最初の報告書を発表する予定だったが、当日になって6日に先送りした。多くの外国人も巻き込んだこともあり原因究明が遅れれば批判が高まったり観光に打撃となったりする可能性がある。

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