摘発を受けたのはヒョンデ自動車の電池工場で、4日、移民税関捜査局やFBI=連邦捜査局など複数の捜査機関が大規模な取り締まりを行いました。
その結果、475人が拘束され、正規の手続きを経ずに入国した人のほか、就労が認められていなかったり、滞在期限を過ぎたりしていたということです。
アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは当局者の話として、このうち300人以上が韓国籍だったと報じています。
移民税関捜査局は、「アメリカへの投資を希望する全ての企業をアメリカは心から歓迎するが、企業が外国人労働者を必要とする場合は、合法的に招かねばならない」とコメントしています。
トランプ大統領は5日、記者団の質問に対して、「拘束された人たちは不法移民であり、移民税関捜査局は自分たちの職務を果たしただけだ」と述べました。
メーカー “法令順守の基準を維持する”
ヒョンデ自動車はNHKの取材に対し、これまでのところ、拘束された人の中に自社で直接、雇用している従業員はいないとした上で、「われわれはすべてのパートナーやサプライヤーなどに法令の順守を求める。プロジェクトに関わるすべての人たちが高い法令順守の基準を維持できるよう、手続きの見直しを進めていく」とコメントしています。
韓国外務省 “憂慮と遺憾の意を伝えた”
韓国外務省の報道官は5日に開いた記者会見で「アメリカの法執行の過程で、アメリカに投資する韓国企業などの経済活動と国民の権益が不当に侵害されてはならない」と述べ、アメリカ側に憂慮と遺憾の意を伝えたとしています。
また、現地の総領事を急きょ現場に派遣し、対策チームを発足するよう指示したとしていて、現場での対応を急ぐとしています。
一方、韓国メディアは今回のアメリカ側の対応について大々的に報じています。通信社、連合ニュースは8月25日に、米韓首脳会談が行われたばかりのタイミングであることや、韓国企業によるアメリカへの大規模な投資をめぐる両国のやりとりが続いているなかでの摘発だと指摘した上で、「韓国政府と企業が神経をとがらせている」と伝えています。
また、有力紙の朝鮮日報はアメリカで工場を建設しているという韓国企業の関係者の話として「『投資しろ』と言いながら、必要な対応をしてくれないのではどうしてよいかわからない」と伝え、韓国企業の間で困惑が広がっていると報じています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。