今、世界的なブームになっているキャラクター「ラブブ」をご存じでしょうか。
その熱狂がついに本格的に関西にもやってきたんです。
何がそんなに人気なのか。その裏で起こる転売や偽物流通の問題とは。
大人気「ラブブ」の魔力に迫ります。
■きょうの購入額は「27万円」
鋭い歯を出してニヤリと笑うキャラクター、その名は・・・「ラブブ」。
いまこの「ラブブ」が世界中で空前の大ブーム!店頭では“爆買い”するファンの姿も…。
【ラブブファン】「私が27万円。自分がほしいから一生懸命並んで。最近めっちゃはやってたから」
そんなグッズは品薄となり「偽物」まで登場!
(Q.偽物が出回っているの知ってます?)
【街の人】「はい、ラフフとか」
「ラブブ」ならぬ「ラフフ」!?
さらには鑑定士が偽物と見分ける事態にも…。そんな「ラブブ」とは一体?
世界的ブームの影に何が起きているのか?徹底取材で迫ります。
■関西で初出店の路面店にはインバウンド客も押し寄せる
先週土曜日、大阪・ミナミに出来た行列!
【記者リポート】「朝から商店街に並ぶたくさんの人、皆さんの目当てはこのキャラクターです」
今、世界的なブームを巻き起こしているキャラクター「ラブブ」を扱う路面店が、関西で初めてオープンしました。
いたずらっぽい表情に9本のギザギザした歯が特徴の妖精「ラブブ」。
抽選に当たり、店に入ることができた人たちは、3000円程度から、高い物では数万円するグッズを大量に購入していきます。
【ベトナム出身の客】「20万円ちょっと買いました」
(Q.好きになったきっかけは?)
【ベトナム出身の客】「インフルエンサーが持っているから。韓国人のK-POPアイドルが持っている」
【名古屋からきた客】「24万超えました」
(Q.どうしてこんなに購入?)
【名古屋からきた客】「揃えたいですね。コンプリートしたいという意欲ですね。新しい商品がいっぱい入ってくるので、『これも揃えたい』となっちゃうから、うまい戦略だなと。沼っています、やばい(笑)」
■「BLACKPINK」のリサが紹介して人気に火が付いた中国の「ラブブ」
韓国のガールズグループ「BLACKPINK」のリサさんなど、海外セレブがSNSで紹介したことで人気に火が付いた「ラブブ」。
実は中国発のキャラクターで、およそ10年前に香港のデザイナーが生み出し、中国のメーカー「ポップマート」が独占販売しているのです。
今やアメリカやヨーロッパなど、世界中で公式ショップをおよそ140店舗展開していて、ことし上半期の売上高は、前の年と比べて3倍のおよそ2853億円にも上ります。
この大ブームに中国の人たちは…。
【中国の人】「ラブブは中国の良いものだから、それが世界に広がって、中国の誇りです!」
■ラブブに夢中 5歳のコレクター
高まるラブブ人気に、こんな“かわいい”コレクターも…。
出迎えてくれたのは、なんと5歳の男の子、あたるくん。
【“ラブブコレクター”あたるくん(5)】「こっちきて!こっちきて!」
あたるくんはことし3月ごろYouTubeで見たことがきっかけで、ラブブに夢中になり、いまや部屋には50点以上のグッズがずら~り。
【“ラブブコレクター”あたるくん(5)】「これ見といてよ。これは目が変わる!それでこっちは目が変わらない!」
(Q.ラブブのどこが好き?)
【“ラブブコレクター”あたるくん(5)】「ラブブがふわふわなところと、ラブブが踊っているところ」
【あたるくんの母】「(入店の)抽選が20回に1回ぐらいしか当たらないので、きょうあったときに買わないと、もう二度と買えないかもと思って買っています」
まだまだコレクションしたいあたるくんですが、最近はある問題が…
【“ラブブコレクター”あたるくん(5)】「小さいラブブ売ってるとき、いっぱいラブブあったよ」(Q.今は?)「ない」
■偽物「ラフフ」登場 中国当局は大量につぶす映像を公開
そのため、こんな問題が…。
【ラブブファン】「知り合いが本物だと思って買ったら、偽物だったことは結構あって、(偽物は)『ラフフ』です」
ラブブの偽物、“ラフフ”が出回っているというのです。
これは偽物と正規品の2つを並べた写真で、よくみると…口元のデザインが違っています。
持ち手に書かれた文字は「POPMART」ではなく、ポップマブト(POPMABT)に…。
この事態に中国当局は、偽物の取り締まりを強化し、183万点を押収。
偽物のラブブなどを大量につぶす映像を公開するなど本気度をみせています。
■フリマサイトも偽物対策 最新のテクノロジーで鑑定
さらに、日本国内の企業も偽物対策に乗り出していて、取材班が訪れたのはフリマサイト「スニーカーダンク」の流通拠点。
【スニーカーダンク 神義詞執行役員】「こちらがラブブを、最新の鑑定技術で鑑定している鑑定士たちです」
出迎えてくれた屈強な男性は「ラブブ」か「ラフフ」かを、見分ける鑑定士です。
スニーカーダンクでは出品されたものが、正規品であるかを確認してから出荷するシステムを採用していて、最新のテクノロジーで、毎日、数千点のラブブを鑑定しています。
【スニーカーダンク 神義詞執行役員】「片方が本物で片方が偽造品です。X線の機械にかけてみたいと思います。腕の部分に(本物は)ワイヤーが通っているが、偽造品にはワイヤーがない。外見では分からない要素です」
一見しては分からない違いも、X線を使うと一目瞭然。
■赤外線カメラを通すと塗料の種類によってパッケージの違いが明らかに
また、肉眼では同じに見えるパッケージも、赤外線カメラを通すと塗料の種類によって違いが明らかに。
これらの技術で「真贋(しんがん)鑑定率」は99.97%を誇るといいますが、偽物の技術は日に日に巧妙になっていて…。
【スニーカーダンク 神義詞執行役員】「ワイヤーのある偽造品も先月位から急増していて、ワイヤーのあるなしとプラスアルファで、塗料の違いなどで鑑定し、精度を高めている」
(Q.イタチごっこな感じ?)
【スニーカーダンク 神義詞執行役員】「その通りです」
■5万円~6万円もうけた」ブームを見逃さない“転売ヤー”
ニセモノが巧妙化して問題となる一方、品薄になると発生するのがやはりこの問題…。
【記者リポート】「大人気となっているこちらのラブブ。フリマサイトを見るとたくさん出品されていますが、高いものではなんと、およそ80万円で売られています」
高額での出品が相次ぐ転売です。
関西テレビは、そんな高額転売で利益を得るいわゆる“転売ヤー”を独自取材。
【九州に住む大学2年の“転売ヤー”Aさん】「(ラブブは)定価で買えたら3000円ちょっとなんですけど、中身次第では1個3万円ついたり、平均で5000円はつくんですよ」
(Q.「ラブブ」でいくらぐらいもうけた?)
【九州に住む大学2年の“転売ヤー”Aさん】「ラブブは今やっている途中なので、少ないけど、この前が1カートン買えて5万円~6万円」
九州地方に住む大学2年生の男性は、ポケモンカードなどの転売で月に20万円ほどを稼いでいて、最近は「ラブブ」の転売でもうけているといいます。
(Q.買う人に対して何を思う?)
【九州に住む大学2年の“転売ヤー”Aさん】「金持ちなんだな~と。僕はいらんし、本当にほしいなら渡ってくれてよかったなと。高く売ったことに罪悪感はあるけど、ほしい人に渡ったら、いいかなという感じ」
■転売防ぐには「流通量を増やし希少性をなくすこと」
こうした転売への対策について専門家は…
【文京学院大学経営学部 濱田俊也教授】「転売をしている人が転売をしなくなる理由は、希少性がなくなった時でしかない。企業側として転売を防ぐだけの、商品の流通量を上げるのは、方法としある。そうすると希少性が損なわれる部分があるので」
世界的なブームとなっているラブブ。
課題はありつつも、この勢いはまだまだ衰えることはなさそうです。
(関西テレビ「newsランナー」2025年9月9月放送)
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