「ロシアは大きな譲歩はしていないだろう」

笹川平和財団 畔蒜泰助上席研究員

ロシアの外交や安全保障政策に詳しい笹川平和財団の畔蒜泰助上席研究員は「ロシア側に有利な形の内容が議論され、それをベースにして米ロの間で合意がなされたとすると、アメリカ側にとってみたら必ずしも勝利とは言えない。ロシア側としてはおそらく大きな譲歩はしていないだろう。終始ロシアのペースで進んだ会談だったのではないか」と述べました。

「領土に関しても一定の合意ができたのでは」

そして、「ウクライナとロシアの安全保障をどう担保するのか、おそらく領土に関してもアメリカとロシアの間で一定の合意ができたと思う」と述べました。

そう見る根拠として、トランプ大統領が会談後、アメリカメディアのインタビューに対して会談の手応えについて「10点満点だ」と答えたり、「ゼレンスキー大統領しだいだ」と述べたりしたことを挙げました。

畔蒜上席研究員は「ウクライナの関与なしにプーチン大統領とトランプ大統領が直接会談をしてしまうことそのものが、ウクライナにとっては最悪のシナリオだった。今後、非常に厳しい展開が待っている」と述べました。

そして「ロシアにとってウクライナは死活的問題であるがアメリカの死活的問題はやはりアジアにある。アンバランスな状況が根底にある問題だ」と述べ、トランプ政権は、中国への対応を最優先にしたいとしているとして、ゼレンスキー政権がアメリカの協力を得てウクライナ情勢をめぐる事態の打開を図る難しさを指摘しました。

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