ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=横内理恵】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落して始まり、午前9時35分現在は前日比49ドル04セント安の4万5662ドル30セントで推移している。朝方発表の8月の米卸売物価指数(PPI)は9月の米利下げを後押しする内容だったものの、11日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)を見極めたい市場参加者が多い。

前日に主要株価指数がそろって過去最高値を付けた後で主力株の一部に売りが出て、指数の重荷となっている。

PPIは前月比で0.1%下落し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%上昇)を下回った。前年同月比では2.6%上昇と、7月(3.1%上昇)から伸びが鈍化した。「弱い指標だったが、0.5%利下げの議論を始めるほどではなかった」(BMOキャピタル・マーケッツ)との声があった。市場では16〜17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げがほぼ確実視されており、PPIを材料とした売買は限られている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、オラクルが急伸し一時40%あまり上昇した。9日夕に発表した四半期決算では受注残が大幅に増えた。人工知能(AI)向けクラウドサービスの需要が強いとの受け止めから、半導体などAI関連株に買いが広がっている。ダウ平均ではエヌビディアが高く、指数を下支えている。

そのほかのダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムやアップル、マクドナルドなど消費関連株が安い。ユナイテッドヘルス・グループやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ビザも売られている。一方、ナイキやシェブロン、キャタピラーは高い。 

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸して始まった。前日に付けた過去最高値(2万1879)を上回って推移している。半導体のブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、マイクロン・テクノロジーなどの上げが目立つ。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は3日続伸で始まり、最高値を上回る場面がある。

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