【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(9月12日の動き)
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トランプ大統領 “プーチン大統領への我慢 限界に近づく”
アメリカのトランプ大統領は、12日、FOXニュースの番組に出演し、ウクライナ情勢について言及しました。
このなかで、停戦や和平に向けたロシアのプーチン大統領の姿勢について問われ「我慢の限界に近づいている。急速に近づいている」と述べ、強い不満を示しました。その上で「タンゴは2人で踊るものだ。いま、ゼレンスキー大統領は望んでいるが、プーチン大統領がそれを望んでいるかは疑問だ」と述べました。
トランプ大統領はこれまで事態の打開に向けて、ロシアとウクライナの首脳会談を行うべきだという考えを繰り返し強調していますが、会談は実現しておらず、今回の発言はロシア側の対応にいらだちを示した形です。
一方、今後のロシアへの対応についてトランプ大統領は「非常に強い姿勢で臨まなければならない。銀行への制裁や原油に関する措置、それに関税で、厳しい打撃を与えることになるだろう」と述べ、さらなる圧力をかける考えを示しました。ただ「私はすでにたくさんやっている。これはアメリカの問題というよりも、ヨーロッパの問題だ」と述べ、ロシアへの圧力を強めるためにヨーロッパ各国にさらなる役割を果たすよう求めました。
NATO 欧州東部の防空態勢強化へ ロシア無人機“領空侵犯”で
NATOの加盟国であるポーランドは、ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍の無人機が今月9日から10日にかけて自国の領空を侵犯したと非難しています。
こうした事態を受けてNATOのルッテ事務総長などが12日、ベルギーの首都ブリュッセルにあるNATO本部で記者会見を行いました。このなかでルッテ事務総長はポーランドへのロシアの無人機の侵入について調査が続いているとしながらも「意図的だったかどうかに関わらず、ロシアはNATOの領空を侵犯した。無謀であり、許されない」と批判しました。
その上で、デンマークやフランスといった国が航空機の配備を増やすなどして、ロシアに近いポーランドやバルト三国を含むヨーロッパ東部の加盟国の防空態勢を強化すると明らかにしました。
また、ポーランドのシコルスキ外相は12日、訪問先のウクライナのキーウで記者会見し、ロシアの無人機による侵犯は7時間続いたと指摘するとともに「これは事故ではない。NATOはロシアと戦争状態にはないが、ロシアはウクライナを越えて戦争を拡大している」と述べ、改めて非難しました。
国連安保理で緊急会合 ロシアへの非難相次ぐ
12日、ポーランドの要請を受け国連安保理の緊急会合が開かれ、ポーランド政府の高官は「ロシアはこの地域に火をつけようとしている」と強い危機感を示したうえで「ポーランドは恐れない。ウクライナとともに立ち、主権と領土の一体性を守る決意は揺るがない」と強調しました。
これに対しロシアのネベンジャ国連大使は今回の攻撃で使用した無人機の性能ではポーランド領内に到達しないなどと反論しました。
各国からはロシアに対する非難が相次ぎ、アメリカのシェイ国連臨時代理大使は「アメリカの同盟国への領空侵犯は意図的であろうとなかろうと、この紛争を終わらせようというアメリカの誠意ある努力を軽んじるものだ」と述べました。
また安保理に先立って日本を含む40か国以上の代表がそろって記者発表を行い、深刻な懸念を共有するとともにポーランドへの連帯を示しました。
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