
【エルサレム=共同】ルビオ米国務長官は15日、訪問先のイスラエルでネタニヤフ首相と会談した。イスラム組織ハマスとの戦闘を巡るパレスチナ自治区ガザの情勢を協議。トランプ米政権は、ハマス幹部を狙ってイスラエル軍がカタールの首都ドーハで実施した9日の空爆に不快感を示しているが、ハマスが拘束する全人質解放に向けて連携を維持する考えだ。
トランプ大統領は14日、東部ニュージャージー州で記者団に「カタールは偉大な同盟国だ」と述べ、イスラエルに改めて不満を示した。ネタニヤフ氏は同日、ルビオ氏と共にエルサレム旧市街のユダヤ教聖地「嘆きの壁」を訪問し、結束に揺らぎはないと誇示した。
一方、アラブ諸国は15日、ドーハで首脳会議を開催。イスラエルの空爆を非難し、連帯を確認する。カタールのムハンマド首相兼外相は14日の準備会合で演説し「野蛮な攻撃を看過してはならない」と訴えた。ガザ停戦交渉の仲介は継続する考えを改めて表明した。
イスラエル軍は14日、制圧を目指すガザの中心都市、北部ガザ市への攻撃を強め、ロイター通信によると住宅30棟以上が破壊された。住居を集中攻撃することで住民を強制退避させる狙いがあるとみられる。
ドーハでの空爆に国際的な批判が強まる中、ネタニヤフ氏はガザ市制圧作戦を強行する構え。市内に依然多数がとどまっている住民の犠牲が増える恐れが強まっている。
ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始後のガザ側死者は6万4800人以上。飢餓や栄養失調による死者は420人を超える。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。