国際原子力機関(IAEA)年次総会の冒頭で演説するグロッシ事務局長(ウィーン、15日)=ロイター

【ウィーン=共同】国際原子力機関(IAEA)の年次総会が15日、ウィーンで始まった。グロッシ事務局長は冒頭演説で、6月にイスラエルと米国による攻撃を受けたイラン核施設への査察再開に向けたイランとの基本合意に基づき「今こそ、イランとIAEA双方が信頼を回復し、前に進める時だ」と述べ、査察の早期再開を改めて呼びかけた。総会は19日まで。

IAEAとイランは9日、査察再開の手続きや実施方法で基本合意したが、実際の再開時期は未定で協議が続いている。

高濃縮ウランを増産していたイランに対し、核合意の当事国、英仏独は8月下旬、国連制裁を復活させる手続きを始めた。制裁回避を巡るイランと英仏独の外交交渉が続いている。

ロシアが占拠するウクライナ南部ザポリージャ原発についてグロッシ氏は、IAEAのチームが交代で3年以上常駐を続けているとし、核事故を防ぐため今後も「続けなければならない」と述べ、支援を要請した。

一方、城内実科学技術担当相は、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について、引き続き安全に行われていることを報告する。

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