IAEAの年次総会は15日、本部があるオーストリアのウィーンで始まりました。
イラン国内の核施設をめぐる問題では、IAEAとイランは今月9日に本格的な査察再開に向けた実践的な方法で合意したと明らかにしたばかりです。
演説でグロッシ事務局長は「今こそ、イランとIAEAの双方が信頼を回復し前進する時だ」と述べ、イランの核施設に対する早期の本格的な査察の再開を改めて呼びかけました。
また日本の城内科学技術担当大臣は「イランに対し、IAEAとの完全な協力を直ちに再開するよう求める」と述べました。
一方、イランのエスラミ原子力庁長官は演説で「査察停止の主な理由は、イランの核施設に対する攻撃的な行為が行われたからだ」と述べ、イランの外交筋によりますと核施設への攻撃を非難する決議案を提出したということです。
イギリスとフランス、ドイツの3か国が国連制裁を再開させる手続きを始めるなどイランへの圧力を強めるなか、IAEAがイランの協力を取りつけて本格的な査察受け入れにつなげられるかが今後の焦点となっています。
イラン原子力庁 エスラミ長官「時間を要するのは当然」

総会での演説のあと、イラン原子力庁のトップのエスラミ長官がNHKの単独インタビューに応じました。
エスラミ長官はイラン側が現在、攻撃を受けた核施設の状況を調査しているとしたうえで「施設が攻撃によって破壊され、安全が脅かされている状況では、状況評価などに時間を要するのは当然だ」と述べました。
その上で本格的な査察の受け入れにあたっては「個別の事例や項目ごとに協議し決定することになる」として、IAEA側と協議した上で、施設ごとにイラン側が判断すると主張しました。
一方で、本格的な受け入れのめどについて、具体的な時期の言及は避けました。
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