
【エルサレム=共同】イスラエル軍が16日に開始を表明したパレスチナ自治区ガザの中心都市、北部ガザ市制圧作戦について、軍報道官は同日、イスラム組織ハマスの拠点などの掌握に「数カ月かかる」と明らかにした。トンネルなどの軍事インフラの破壊はさらに数カ月を要すると述べ、侵攻が長期化するとの見通しを示した。ガザ市には数十万人の住民がとどまっており、民間人被害の拡大や人道危機の深刻化は避けられない情勢だ。
イスラエルのネタニヤフ首相は16日の記者会見で、9月下旬にも米ホワイトハウスでトランプ大統領と会談する予定だと発表した。ネタニヤフ氏が国連総会で演説した後で、ガザ市制圧作戦や、イスラエル軍がハマス幹部を狙ってカタールで実行した空爆などを協議するとみられる。
イスラエル軍はガザ市で住宅などを空爆で破壊し、東側から中心部に向かって戦車で侵攻しているもようだ。ガザ市には一時約100万人が避難していたとされるが、軍は既に35万人以上が退避したと推計している。
ガザ市近くの海岸沿いの道路は16日、南部に避難する住民で混雑した。ネタニヤフ氏は退避加速のため新たなルートを設置する方針を示した。
ハマスに拘束されている人質は20人前後が生存しているとされ、ガザ市で捕らわれている可能性がある。ガザ市制圧作戦を巡り、軍高官らは人質や兵士を危険にさらすと慎重姿勢を示していたが、ネタニヤフ氏はハマス壊滅を掲げて作戦を強行したと報じられている。
パレスチナ通信によるとガザでは16日、攻撃による死者が100人を超えた。大部分がガザ市で死亡したとしている。ガザ保健当局によると戦闘開始後のガザ側死者は6万4900人以上、飢餓や栄養失調による死者も420人を超えている。
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