
【NQNニューヨーク=横内理恵】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比125ドル55セント(0.27%)安の4万5757ドル90セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が17日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたい雰囲気が強かった。米株式相場が最高値圏で推移するなか、主力株の一角に持ち高調整の売りが出た。
FRBはFOMCで0.25%の利下げを決めるとみられている。FOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)やパウエルFRB議長の記者会見が注目され、様子見のムードが強かった。
市場の一部ではドットチャートや議長会見が「市場の追加利下げ期待を高める」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との見方があった。一方で、「(利下げに消極的な)タカ派よりと受け止められる可能性が懸念されている」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声もあった。
ダウ平均は200ドルあまり下げる場面があった。米利下げ期待などを背景にダウ平均は前週に過去最高値を更新した。その他の主要株価指数も高値更新を続けてきた後で、割高感が意識されやすかった。
朝方は買いが優勢だった。16日発表の8月の米小売売上高が前月比0.6%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を上回った。7月分も小幅に上方修正された。労働市場の減速感が強まるなかでも消費が底堅さを保ち、企業収益を支えるとして好感された。
個別銘柄では今週出荷を始めた中国向け新製品への需要が低調と伝わったエヌビディアの下げが目立った。ユナイテッドヘルス・グループやトラベラーズなどディフェンシブ株の一角も売られた。一方、アマゾン・ドット・コムやアップル、キャタピラーが高い。原油高を受けてシェブロンも上げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7営業日ぶりに小反落した。前日比14.791ポイント(0.06%)安の2万2333.959(速報値)で終えた。ブロードコムが売られた。アナリストが投資妙味などを指摘したテスラは続伸した。
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