
第107回全国高校野球選手権大会に出場していた広陵(広島)が10日に大会の出場を辞退しました。1月に起きた上級生による下級生への暴力事案が発覚して以降、交流サイト(SNS)で学校や選手への中傷が広がっていました。大会中に不祥事が発覚しての出場辞退は、甲子園大会で春夏通じて史上初。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「広陵の甲子園辞退」を解説します。
Q 1回戦を突破した広陵が甲子園を辞退したって聞いたよ。どうしてなの?
A 部員による暴力事案が発覚し、SNSで中傷や爆破予告などが相次いだため、生徒や関係者の安全を考えて出場を辞退しました。
Q 暴力事案はどんなことだったの?
A 今年1月に寮で当時の2年生部員複数人が、1年生部員1人の胸やほおをたたくなどの行為をしたとされています。学校は県高校野球連盟を通じて日本高野連に報告し、3月に厳重注意を受けました。注意や厳重注意は規則で原則非公表とされているため、当時は公表されませんでした。
Q SNSではどんなことが起きていたの?
A 7月下旬以降、野球部で暴力問題があったとする情報がSNSで急速に拡散。真偽不明の情報や悪意を持って加工したような画像もありました。学校が爆破予告を受けたり、生徒が登下校で追いかけられたりする事態にもなっていました。
Q 学校や大会本部はどう対応したの?
A 学校は5日に取材に対し厳重注意を受けていたことを明らかにし、同じ日に日本高野連も3月に審議し厳重注意の措置をした案件だと発表しました。さらに、学校は6日に事案の詳細を公表。大会本部は「出場判断に変更はない」としていました。しかし、別の暴力事案について学校側が第三者委員会を設置して調査していることが明らかになったこともあって中傷や安全への不安は収まらず、最終的に辞退に至りました。
Q SNSで情報はどうして広がったのかな。
A 注目度の高い甲子園出場校の問題だったため、当事者ではない多くの人が「たくさんの人に見てほしい」と思い、真偽を確かめずに情報を拡散したとみる専門家もいます。こうした無責任な行為は名誉毀損(きそん)のリスクをはらんでおり、専門家は警鐘を鳴らしています。
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