
韓国で開催されたスポーツクライミングの世界選手権は、最終日の28日、「課題」と呼ばれるコースを制限時間内にいくつ登ったかを競うボルダーの男子の決勝が行われました。
8人で競う決勝に日本選手は3人が勝ち進み、このうち、ボルダーとリードの2種目で争われたパリオリンピックで銀メダルを獲得した18歳の安楽選手は、最初の課題を落ち着いた身のこなしで1回のトライで登り切る「一撃」で完登しました。
さらに多くの選手が苦しんだ2つ目の課題は、不安定な体勢から立て直して5回目で完登し、続く3つ目は足を置くホールドが小さくバランス力が求められる課題に対し、慎重に足を進めて4回目のトライで攻略しました。

そして最後の課題は、トップの選手を逆転するために完登が必要だった状況の中、2回目のトライで巧みに足を置く場所を入れ替えながら力強い登りを見せて、ただ1人、完登を果たしました。
4つの課題すべてを登り切った安楽選手は、99.2ポイントで逆転で金メダルを獲得しました。
安楽選手は、ワールドカップで3年連続の年間優勝を果たした得意種目で世界選手権を初めて制し、リードで銀メダルだった前回に続く2大会連続のメダル獲得となりました。
このほかの日本勢は、楢崎智亜選手が4位、弟の楢崎明智選手は5位でした。
安楽宙斗「今までで一番うれしい」
自身初の金メダルをつかんだ安楽宙斗選手は「世界選手権という2年に1回のビッグタイトルで優勝できて、今までで一番うれしい」と喜びをかみしめました。
優勝するには完登が必要だった最後の課題については「2つ目と3つ目の課題でトライ数がかさんでしまったが、最終課題は自分の力をほぼ100%出し切って完登できた。こんなことってあるんだと、自分の能力の限界値が上がっているのを感じた」と振り返りました。
そして来シーズンもボルダーとリードの2種目で大会に出場する意向を示したうえで、「トレーニングを今までよりも緻密に進めて、連戦で疲れた時もパフォーマンスが落ちないように細かい調整方法にも気をつけて、来年もたくさん優勝したい」と意気込みを語りました。
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