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巨人の田中将大投手(36)が9月30日、東京ドームで行われた中日戦に先発登板し、6回85球2失点の投球を見せ、1点差でマウンドを託されたリリーフ陣がランナーを背負いながらも守り切り、悲願の日米通算200勝を達成した。
8月21日に日米通算199勝目を記録してから3試合連続で負け投手となり、足踏みが続いていたが、4度目の挑戦で大投手の称号を手にした。

プロ野球生活19年目でたどり着いた200勝までのキャリアを振り返る。

■4度目で掴んだプロ初勝利 新人王を獲得

プロ初勝利を記録した田中投手(2007年) この記事の写真は10枚

プロ初勝利は2007年4月18日にフルスタ宮城(当時)で行われたソフトバンク戦で9回2失点13奪三振の好投を見せ、初完投でプロ初勝利を飾った。
プロ初先発から4試合目での初勝利は、偶然にも通算200勝目と同じ4度目の挑戦での達成だった。
最終的にプロ1年目に28試合11勝7敗を記録し、新人王を獲得した。
高卒ルーキーが2桁勝利を記録したのは松坂大輔氏(当時・西武)以来だった。

■被災地を勇気づける投球 自身初の最多勝と沢村賞を受賞

19勝目を記録した田中投手(2011年)

2011年シーズンは3月11日に発生した東日本大震災で東北を本拠地とする楽天も深刻な影響を受け、混乱の中でのスタートだった。
しかし、田中投手は被災地を勇気づけるかのようにシーズンを通して力投した。
その結果、19勝5敗、防御率1.27、241奪三振、14完投と圧巻の成績を残し、自身初の最多勝と沢村賞を受賞した。

■プロ野球史に刻まれた「24連勝」 初のリーグ制覇 そして日本一 

シーズン24連勝を達成した田中投手(2013年)

2013年シーズン、田中投手は今後、誰も達成できないだろう記録を樹立した。
開幕から圧巻の投球、時には味方打線が奮起して無敗のまま白星を積み重ね24勝0敗1Sという前人未到の記録を達成した。
リーグ優勝を決める試合では、田中投手は抑えとしてマウンドに上がり胴上げ投手となった。
楽天は球団創設9年目で初のパ・リーグ制覇を達成。

球団創設初の日本一に輝いた楽天選手(2013年)

さらに日本シリーズでは巨人と対決し、シリーズ第2戦で完投勝利、第6戦で完投するも敗戦。
しかし、翌日の第7戦で抑えとして登板し、楽天の初の日本一の瞬間をマウンド上で迎えた。
この年、28試合、24勝0敗1S、防御率1.27とシーズン24連勝(前年からの通算28連勝)と快挙を成し遂げ、パ・リーグMVP、沢村賞などをはじめ、タイトルを総なめした。
この年のオフにニューヨーク・ヤンキースと契約を結び、海を渡った。

【NPBでの通算成績】
175試合99勝35敗1S 奪三振1238
広告 ■名門ヤンキースで6年連続で2桁勝利

■名門ヤンキースで6年連続で2桁勝利

先発登板した田中投手(2014年)

メジャー1年目から安定した投球を見せ、1年目で13勝をあげると6年連続で2桁勝利を記録し、名門ヤンキースの先発ローテを守り続けた。
2020年オフに日本球界へ復帰となり、古巣の楽天と契約した。

【MLB成績(NPB合算)】
174試合78勝46敗 奪三振991(349試合177勝81敗1S 奪三振2239)

■楽天に復帰 負けが先行した苦しい4年間

中田翔選手(当時日本ハム)からHRを打たれた田中投手(2021年)

楽天に復帰後の4年間は、先発ローテの一角として登板するも、力で押していく投球に陰りを見せ、打線の援護にも恵まれず、負けが先行した。
2023年には右ひじを手術し、通算200勝まで残り3勝と迎えた2024年シーズンはプロ入りして初めてシーズン未勝利に終わった。
2024年オフに楽天を自由契約となり、巨人へ移籍した。

■たどり着いたプロ野球名球会入りとなる日米通算200勝

200勝を目指し先発した田中投手(9月30日)

セ・リーグに舞台を移し、悲願の日米200勝の瞬間が訪れる。
日米通算199勝目を記録してから4度目の挑戦となった9月30日、東京ドームで行われた中日戦。
田中投手は6回85球2失点の投球を見せ、巨人が4対2で勝利し、プロ野球名球会入りとなる日米通算200勝を達成した。

次に田中投手が目指すのは、日本人メジャーリーガーの先駆者である野茂英雄氏が記録した201勝。その先に広島やヤンキースで活躍した黒田博樹氏の203勝、そして、今も現役で投げ続けるダルビッシュ有投手(パドレス)の207勝を超えてもらいたい。

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