高校野球・秋季兵庫県大会の準決勝を勝ち抜き、近畿大会の出場権を獲得した神戸国際大附属と市立尼崎。その両校による決勝戦が、天候不良のため、予定されていた10月4日(土)から10月5日(日)に順延されました。

 来年3月開催の「センバツ高校野球大会」を目指す上で重要な一戦を前に、両校の準決勝の戦いぶりを振り返ります。


●市立尼崎vs東洋大姫路 エース&中心打者が活躍する堂々たる戦いぶり

 勝てば近畿大会出場が決まる準決勝の第2試合。県内の公式戦連勝記録を更新中の東洋大姫路が市立尼崎と対戦しました。

 前日の準々決勝、報徳学園との一戦を、ここ一番の高い集中力でものにした東洋大姫路が勢いそのままに先制します。1回表、3番・峰松紘大選手がライト線へのタイムリー2ベースを放ち、幸先よく1点をリードします。

 その東洋大姫路の先発は、エースナンバー「1」を背負った三上颯真投手。大事な試合での先発マウンド、その裏2アウトまでテンポ良くこぎつけますが、ここから市立尼崎が誇る強力打線が三上投手を捉えます。

 3番・伊田優大選手、4番・高田哲平選手の連続ヒットでチャンスをつくると、5番でエースの塩澤魁矢選手が、左中間を破る逆転のタイムリー2ベース。県大会2回戦で強豪・社高校に打ち勝つなど、大会に入ってから打撃好調を維持している市立尼崎ですが、中心打者が期待にこたえました。

 中盤に入っても、市立尼崎打線の勢いは止まりません。4回には、東洋大姫路の2人目、溝口蒼介投手に対してヒット4本を浴びせて貴重な2点の追加点を奪うと、6回にも報徳学園戦で好投した3人目・下山大翔投手から足を絡めた攻撃で追加点。5対1とリードをひろげました。

 守っては、エースの塩澤投手が2回以降、東洋大姫路にヒットを許さない安定感抜群のピッチング。一度手にした試合の流れを渡しません。東洋大姫路の松本太翔主将が「どんな形であれ、チーム全員で粘り強くあきらめずに戦えるのが自分たちの強み」と語ったように、塩澤投手に疲れが見え始めた7回以降、東洋大姫路もしぶとい攻撃でチャンスをつくりますが、毎回のようにスコアリングポジションにランナーを背負いながらも、チャンスに強い打線に対してあと1本を許しませんでした。

 9回、2アウト3塁のピンチも、落ち着いて後続を抑えてゲームセット。エースの好投に加え、12安打で5点を奪った市立尼崎。堂々たる戦いぶりで東洋大姫路を下し、見事に決勝進出。近畿大会への出場権を手にしました。


●神戸国際大付属vs彩星工科 延長タイブレークを制したのは?

 準決勝のもう1試合は、1点をめぐる息詰まる攻防になります。好投を続ける神戸国際大付属のエース・秋田依吹投手に対して、彩星工科も4人の投手リレーで幾度となくピンチを脱出し、両チーム無得点ままタイブレークに突入します。

 10回表、彩星工科が2アウトから8番・光井粋選手のタイムリーヒットでようやく1点を先制するも、その裏の1アウト2・3塁から、神戸国際大の4番・川中哲平選手がセンターへの逆転サヨナラタイムリーヒット。神戸国際大付属が劇的勝利で決勝進出を決めました。

 神戸国際大付属と市立尼崎が激突する決勝戦は、雨天の影響で10月4日(土)から10月5日(日)に順延。ウインク球場(姫路)で午後1時プレイボール。

 近畿大会出場への最後の1枠を争う3位決定戦、彩星工科対東洋大姫路の試合は、決勝戦に先立って午前10時から行われます。


●兵庫県大会 準決勝の結果 決勝・3位決定戦の日程

 神戸国際大付属 2-1 彩星工科(延長10回)
 市立尼崎 5-1 東洋大姫路

 3位決定戦 彩星工科 対 東洋大姫路 午前10時~
 決勝 神戸国際大付属 対 市立尼崎 午後1時~
 ※10月5日(日) ウインク球場(姫路)

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