プロ野球は15日、セ、パ両リーグでクライマックスシリーズ(CS)最終ステージ(S、6試合制)が開幕した。セはレギュラーシーズンで2年ぶりにリーグ優勝した阪神が2位のDeNAを2―0で破った。パはリーグ2連覇したソフトバンクが2―1の延長十回サヨナラで2位の日本ハムを下した。それぞれ優勝チームのアドバンテージ1勝を加え、対戦成績を2勝とした。第2戦の予告先発はセが才木(神)と竹田(D)、パが有原(ソ)と福島(日)。
- トラの1番打者の別の顔 子どもたちへの「ギフト」にこめた原点
徹底した準備と、ほんの少しの勇気を推進力にして阪神の近本光司は駆けた。両チーム無得点の六回1死二塁。3番・森下翔太への初球、三盗だ。
DeNAの先発・東克樹の投球モーションの研究は重ねている。「バッチリはまった」と近本。「意識はあったけど、初球からしてくるとは思っていなかった」とは東。意表を突いた。捕手の山本祐大は、三塁へ送球すらできなかった。
1点を争う展開。守る方は前進守備を敷かざるを得ない。ヒットゾーンが広がる。森下は「チカさん(近本)に三盗してもらって、すごく楽になった」。二遊間を抜ける中前安打で、均衡を破った。
その森下は、佐藤輝明の中前にポトリと落ちる安打で三塁まで走り、次打者の三ゴロでは三本間に挟まれながらも粘って佐藤輝の三進をアシスト。記録に残らない「足技」で小野寺暖の適時打につなげた。
阪神は2023年まで5年連続でリーグトップのチーム盗塁数を誇った。昨季は同5位。優勝した前年の約半数となる41個に激減し、盗塁王の近本ですら19個だった。
今季、筒井壮・外野守備兼走塁チーフコーチを中心に走塁のミーティングを繰り返し、チームの武器を復活させた。100盗塁はセ・リーグトップ。近本は32盗塁で自身6度目の盗塁王に輝いた。
レギュラーシーズンから2週間近く空いた中で、価値のある走塁で初戦をものにした。「めちゃくちゃでかいと思う。でも、そのでかさは(CSを)突破してからわかること」と近本。勢いそのままに、突っ走る。
小野寺(神) 今季は打点なしだったが、CS初戦で貴重な適時打。「情けないシーズンだった。気持ちだけで打った」
森下(神) 六回に先制打。久しぶりの試合に「緊張感はあったが、そんなに震えることもふわふわすることもなかった」。
DeNAは七回まで毎回走者を出しながら、あと1本が出なかった。5番牧は一、三、五回といずれも一、二塁の好機で打席を迎えたが、阪神の村上から適時打を放てなかった。「結果を出せず、いいリズムを持ってこられなかった」。左手親指のケガから復帰したばかりで、差し込まれる場面が目立つ。それでも、「明日は自分が打てればいい」と奮起を誓った。
東(D) 六回途中、2失点で降板。「調子は良かったと思うが、先制点を与えてしまいチームに勢いをつけることができなかった」
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