夏の甲子園で全国制覇を目指す沖縄尚学。19日、優勝候補にも挙げられていた強豪、東洋大姫路との準々決勝で今大会2度目の先発マウンドに立ち、6回1失点と好投したのが、2年生右腕、新垣有絃投手だった。

沖尚の球児として1999年春のセンバツで優勝経験のある比嘉公也監督は、この日の新垣についてー

比嘉公也監督:
「新垣がここまで相手を抑えるとは想定していなかった。きょうは新垣の好投に尽きる」

140キロを超えるストレートと、縦に変化するキレのあるスライダ―。表情を崩さず淡々と投げ込むクールな右のエース。しかし、マウンドを降りると途端に高校2年生らしいあどけない表情を見せる。東洋大姫路との試合後の新垣は…

甲子園で好投を続ける新垣有絃

――大事なマウンド、どういう気持ちで上がった?

新垣有絃:
「えっと…、どういう気持ち…。んー、やってやるぞ、みたいな気持ちでマウンドにいきました(笑)」

堂々としたマウンドさばきや、思い切りよく腕を振る姿からは想像できない、シャイな性格だ。

新垣有絃が初めて野球を始めたのは、小学1年生の頃。元高校球児だった父・盛之さんの影響で、今大会1塁を守る兄・瑞稀と一緒に、地元の少年野球チーム「世名城ジャイアンツ」に入団した。

左のエース末吉は全国でも高い注目度

末吉良丞:
「やっぱり同学年のピッチャーとして、チーム内でもライバルだと思っているので、そういうところでは負けない気持ちがあります」

新垣有絃:
「良丞だけじゃないんだぞという気持ちで投げて、一緒に抑えられたらいいと思います」

静かに闘志を燃やす新垣有絃は今大会、全国の強豪相手に11イニングを投げ失点はわずかに1。

今大会11イニング1失点の新垣

大舞台で成長を見せる活躍にも、アルプスから活躍を見守った母、由紀子さんは東洋大姫路戦の息子の投球に、「四球が多かったから60点かな」と厳しい評価。(この日与四死球4)

それでも、ロースコアゲームで強豪相手に流れを渡さなかった好投が沖縄尚学の快進撃を支えていることは疑いようがない。21日の準決勝にも左右の2年生エースに期待がかかる。

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