10月23日(木)に開催される2025年プロ野球ドラフト会議。今年も関西には多くの注目選手がいる。筆者が直接取材した選手を中心に、指名が期待される要チェックの候補を投手と野手に分けて紹介する。(取材・文 MBSアナウンサー金山泉)

◆投手編

▼藤原聡大投手(花園大・右投右打)
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 今年関西で大注目の右腕。177㎝75㎏の引き締まった体をバネのようにしなやかに使い、最速156キロのストレートを投げ込んでいく。水口高(滋賀)2年までは遊撃手だったこともあり、フィールディングも抜群。もしドラフト指名されれば花園大初のNPB選手誕生となるが、上位指名の可能性も十分にある。

▼赤木晴哉投手(佛教大・右投右打)
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 190㎝の長身右腕。天理高(奈良)では今年ブレイクを果たした達孝太(日本ハム)と同期だったが、腰痛の影響で公式戦の登板はほとんどなかった。大学で腰痛が治るとその才能が開花し、今年6月には最速153キロを計測。今年は春・秋連続で京滋大学リーグMVPに輝き、5季連続リーグ優勝の立役者となった。

▼田村剛平投手(京産大・右投右打)
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 スタミナ抜群の最速153キロ右腕。報徳学園(兵庫)3年夏は背番号11。スリークォーターから打者の両サイドにテンポよく投げ分けていく投球が持ち味で、今秋の関西六大学リーグでは5勝をマークし、MVPとベストナインを獲得。田村の活躍もあり、京産大は13季ぶりとなるリーグ優勝を果たした。

▼谷脇弘起投手(日本生命・右投左打)
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 力感のない投球フォームから常時140キロ台後半、最速151キロのストレートを投げ込んでいく。那賀高(和歌山)3年夏の県大会では準優勝。立命館大時代は、4年秋にノーヒットノーランを達成するも指名漏れ。何度も悔しさを味わった右腕の嬉し涙が見られるかもしれない。

▼大宮隆寛投手(大阪ガス・右投右打)
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 安定感抜群の大阪ガスのエース。9月の都市対抗野球1回戦では、信越クラブ(長野市)戦で9回1失点の好投を見せた。右サイドハンドから投げ込まれる最速149キロのストレートと、多彩な変化球が武器。東洋大では村上頌樹(阪神)の1年後輩。入社4年目で悲願のドラフト指名を待つ。

 そのほか高校生では、最速153キロ右腕の森陽樹投手(大阪桐蔭・右投左打)、気迫あふれる投球が持ち味の中野大虎投手(大阪桐蔭・右投右打)、大学生では、大学侍ジャパンを経験している野口練投手(近畿大・左投左打)、社会人では、最速149キロ左腕・本間悠貴投手(大阪ガス・左投左打)、最速152キロ右腕・遠藤慎也投手(日本新薬・右投右打)なども注目される。

◆野手編

▼勝田成内野手(近畿大・右投左打)
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 大学3年時から2年連続で侍ジャパン大学代表に選出された俊足巧打の二塁手。今秋の関西学生野球リーグ史上32人目となる通算100安打を達成。関大北陽高校出身で、阪神タイガース・岡田彰布顧問は高校の大先輩だ。

▼野間翔一郎外野手(近畿大・左投左打)
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 俊足強打の外野手。大阪桐蔭時代は通算30本塁打。今秋の関西学生野球リーグでは打率4割を超え、首位打者を獲得した。特に目を引くのが逆方向(レフト方向)への飛距離。オープン戦を含め大学生活で放っている約20本の本塁打のほとんどが逆方向への本塁打だ。

▼成瀬脩人内野手(NTT西日本・右投右打)
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 強肩巧打の遊撃手。東海大時代から守備力には定評があったが、ウェイトトレーニングにより打撃面での出力がアップ。10月上旬に行われたトヨタ自動車とのオープン戦では1試合2本塁打。成瀬が指名されれば、野村勇(ソフトバンク)、平良竜哉(楽天)、泉口友汰(巨人)、伊原陵人(阪神)に続き、NTT西日本から5年連続のドラフト指名となる。

 そのほか、強肩強打の阪上翔也外野手(近大・右投左打)、身体能力抜群のエドポロ・ケイン外野手(大阪学院大・右投右打)、巧みなバットコントロールが持ち味の高田幸汰内野手(日本生命・右投左打)なども注目される。

◆番外編:関西“以外”で活躍する関西出身の注目候補

▼齊藤汰直投手(亜細亜大・右投右打)
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 兵庫県宝塚市出身。公立校・武庫荘総合(兵庫)から亜大へと進学し、甲子園経験者が集まる名門でエースへと成長した。最速152キロとフォークボールが武器。コントロールで大崩れすることがなく、総合力の高い投手。ドラフト1位の可能性もある。

▼中西聖輝投手(青山学院大・右投右打)
 奈良県橿原市出身の最速152キロ右腕。智弁和歌山高3年夏の甲子園で全国制覇を達成。大学3年時、大学選手権と明治神宮大会で優勝。抜群の安定感を誇り、数々の大舞台で結果を残してきた経験値もある。1位競合の可能性も。

 高校生では、今夏の甲子園で本塁打を放った滋賀県彦根市出身の高田庵冬内野手(仙台育英・右投右打)、今年のセンバツ優勝投手で打撃もいい滋賀県彦根市出身の奥村頼人投手(横浜高・左投左打)。高田と奥村は滋賀・野洲ボーイズ時代のチームメイト。去年夏の甲子園でベスト4を経験した兵庫県丹波市出身の早瀬朔投手(神村学園・右投左打)、180㎝の大型遊撃手で兵庫県神戸市出身の今岡拓夢内野手(神村学園・右投右打)、大学生では、今年の大学選手権で日本一に輝いた兵庫県尼崎市出身の櫻井頼之介投手(東北福祉大・右投右打)、社会人では近江高時代に林優樹(楽天)とバッテリーを組んだ奈良市出身の有馬諒捕手(ENEOS・右投右打)にも注目だ。

 この中からプロ野球選手は誕生するのか。23日、運命の日を迎える。

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