プロ野球ドラフト会議(23日)で広島が1位指名し、交渉権を獲得した仙台大・平川蓮(21)。右投げ両打ちの外野手で、身長187cm、体重91kgという恵まれた体格に、50m5秒9の俊足、遠投は約120mの強肩を兼備。走高跳でも2m超をクリア(大学1年時)するなど、抜群の身体能力が自慢だ。

平川が野球を始めたのは小学4年生の時。野球好きだった1歳上の兄に着いて、地元の少年団の体験会に行くことになったのがきっかけだった。平川自身はサッカーがしたかったが「野球も楽しいんだなと思い、まあいいか」と、いつの間にかチームに入っていたという。

父・敦さんは名門、北海高校を率いる監督だが、あえて同じ道に進まず、札幌国際情報高校を選んだ。「小さい頃から父のことはかっこいいと思って見ていたが、家に監督がいるのを想像したら違うなと感じた。それより親を倒したいという思いが強くなったので違う高校に行った」と当時を振り返る。

高校時代はエースで4番。仙台大には投手として入学したが、1年生の10月に「足も速くて肩も強くて体もでかい、スケールが大きく上のレベルでもできる」とコーチから野手転向の提案をされた。打球が外野のネットを超えるほどに長打力がつき、あまりにも柵越えの打球を放つため、問題になったことも。3年になると“平川ネット”ができるまでになった。おかげでセンター方向へ打つことを求められ、打撃技術も向上したという。

「右→左→両打ち」に

もともと右打ちだった平川は、高校3年生の時に右肘を痛めたことで、左打ちに転向した。しかし、大学2年の秋頃に監督からの助言で外野手としての「価値を高めるため」右打ちも再開。「両打ちの選手は人の2倍練習しないといけない」と、午前中の全体練習を終えランチを挟み、午後も個人練習を積み重ねた。

その結果“スイッチヒッター”として成長し、今年は侍ジャパン大学日本代表にも選出された。日米大学野球選手権では4番を任された試合もあり、5戦すべてに出場して打率.375をマーク。両打席でヒットを放つなど全勝優勝に貢献し、存在感を発揮した。

好きな言葉は“左右で別人格”。元西武の松井稼頭央さんが使っていた「両打ちの選手はそれぞれ打席で別人格」という言葉に感化され、自身も「違う攻め方でいこう」と考えているという。「同じ両打ちで足が速くかっこいい」と、MLBのレッズの遊撃手、E.デラクル-ズ(23)に憧れている。

ドラフト前には「したいことをしてきた。両親に恩返ししたい」と語っていた平川。持ち前の身体能力と努力で、プロの舞台で輝くつもりだ。

■平川蓮(ひらかわ れん)
2004年3月31日生まれ。北海道・札幌市出身。右投両打。外野手。身長187cm体重91kg。50m走5秒90、遠投は約120m。憧れはMLBレッズのデラクルス選手。小学4年で野球を始め、高校は札幌国際情報高校に進学。仙台大では仙台六大学リーグで24年春、25年春にベストナイン受賞。25年日米大学野球選手権にて日本代表初選出。

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