
プロ野球のドラフト会議が23日にあり、京都府内からも大学生や高校生が指名を受けた。選手たちは、プロ入りの夢をつかんだ喜びを語り、活躍を誓った。

「小さい子どもに憧れられるような選手になりたい」
広島から5位で指名された佛教大学の赤木晴哉(せいや)投手(4年)は、指名後の記者会見で、そう語った。
堺市出身。天理高校(奈良県)から佛教大へ。大学時代に頭角を現した。191センチ、86キロの右腕で、長身をいかした角度のある球が持ち味だ。
ドラフト会議の様子は、京都市北区の大学内にある礼拝堂で、野球部の仲間や家族らと一緒に見守った。午後6時半過ぎに名前が呼ばれると、歓声と拍手のなか、静かに笑顔を見せた。

直後に臨んだ記者会見の冒頭、花束を受け取った後、報道陣に背を向けて、涙を流した。「不安が大きかった。名前を呼ばれることすらもないと思っていたので、しっかり名前を呼んでくれて、うれしさがこみあげてきた。ほっとして、涙してしまいました」と話したうえで、「体をつくって、1年間戦えるような選手になっていきたい」と力を込めた。

今夏の甲子園で8強入りした京都国際高校(京都市東山区)の清水詩太(うた)内野手(3年)が、23日のプロ野球ドラフト会議で、DeNAから育成1位指名を受けた。同校から指名選手を輩出するのは、育成を含めて7年連続となった。

清水選手は同校のホールで、3年生の野球部員らと中継を見守った。会議開始から2時間余りがたった午後7時25分ごろ、自身の名前が呼ばれると、仲間たちと笑顔で喜びを分かち合った。
会見では「DeNAは明るいイメージ。下からはい上がる気持ちで練習に取り組み、最終的にはプロ野球界を代表する選手になりたい」と抱負を語った。対戦したい相手には、今夏の甲子園初戦で対戦し、ロッテから1位指名された健大高崎の石垣元気投手を挙げ、「甲子園ではヒットを打てなかった。プロではホームランを打ちたい」と意気込んだ。
清水選手は福井県出身で、181センチ、75キロの右投げ右打ち内野手。昨夏の甲子園では三塁手として全国制覇に貢献し、今年は4番として高校通算25本塁打を放つ長打力と勝負強さでチームを牽引(けんいん)した。

会見に同席した小牧憲継(のりつぐ)監督は「今まで預かってきた子の中でも素材はトップクラス。今この瞬間から勝負が始まる。今晩からプロで生き残るために行動してほしい」とエールを送った。
オリックスから育成3位の指名を受けた日星高校(京都府舞鶴市)の中西創大(そうた)内野手(3年)。校内でドラフト中継を一緒に見ていたチームの仲間と喜びあった後、席に戻ると涙があふれて止まらなくなった。

舞鶴市出身。小学3年で野球を始め、中学から遊撃手。周りも驚くほど上達し、高校は府外の強豪校に進学した。だが、うまくなじめず地元に戻った。「野球があまり好きではなくなったと言っていた」と父親の中(あたる)さん(41)は明かす。
中西選手は1年秋に日星高校に転校。「こんな自分をチームの仲間は温かく迎えてくれた」。練習試合で自信を取り戻し、2年の冬、「プロを目指したい」と山中始之監督に相談。山中監督は毎日むらなく練習を重ねることを課した。

身長180センチの体格をうまく使い、足がよく動き、肩も強い。オリックスは野球を勧め、見守ってくれた父親の好きな球団だ。「自信のある守備をアピールしたい」と会見で決意を語った。
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