25日、プロ野球の日本シリーズが開幕した。

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 日本シリーズ直前の22日、巨人が岡本和真の大リーグ挑戦を認めると発表した。ヤクルトの村上宗隆とともに、来季は日本を代表する打者2人が抜ける可能性が高まった。両球団には大きな戦力低下になる。

 日米球界の距離が縮まり、プロ野球はトップ選手が同じ球団にとどまることが少なくなった。数年先に主力が抜けることも想定しながら、いかに計画的に育成・補強ができるか――。各球団の「編成力」が、より問われる時代になった。

 日本シリーズで対戦する球団は、異なる手法で今のチームを築いてきた。

 ソフトバンクは外部補強と育成が両輪だ。豊富な資金力を生かしてフリーエージェント(FA)やメジャー帰国組の選手を獲得しながら、若手や中堅を伸ばしてきた。ライバル・日本ハム出身の有原航平、上沢直之が2桁勝利を挙げるなど、外部補強の効果は大きいが、一方で柳町達、海野隆司、松本裕樹、杉山一樹ら20代後半の選手が頭角を現し、今季のリーグ連覇の原動力となった。

 一方の阪神は、FA補強に頼っていた時期もあったが、金本知憲監督時代(2016~18年)に方針転換した。

 生え抜きを育て、柱にすることで、7年連続Aクラスと戦力が安定。野手では近本光司、大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太がドラフト1位入団から主力に。投手では先発2本柱の村上頌樹(5位)と才木浩人(3位)、勝ちパターンの救援の石井大智(8位)、及川雅貴(3位)、岩崎優(6位)ら、ドラフト中位や下位から育った選手が目立つ。スカウトの眼力も評価されるところだ。

 23日のドラフト会議では、ともに将来の4番候補の交渉権を獲得した。

 ソフトバンクは佐々木麟太郎(米スタンフォード大)を1位指名した。来年7月の大リーグのドラフト対象でもあり、入団するにしても来季の戦力としては計算できないが、その先を見ている。

 打線が充実する阪神が1位指名した立石正広(創価大)にしても、即戦力というより、数年先の中軸にという意図が見える。

 日本シリーズは個々の戦力や戦術面はもちろんだが、編成力の日本一を決める戦いでもある。

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