[尚巴志ハーフマラソンin南城]

 「第22回琉球国王尚巴志ハーフマラソンin南城市大会」が2日(日)、南城市文化センター・シュガーホールを主会場に開かれる。ハーフ(21.442キロ)と3キロの2コースに計6062人が挑み、急勾配の新里坂(しんざとびら)やニライカナイ橋からの絶景を楽しみながら風光明媚(めいび)な南部路を駆ける。ベテランランナーが解説する攻略法や、参加を待ち望む出場チームを紹介する。(南部報道部・国吉聡志、當銘悠、大門雅子)

ニライカナイ橋を駆け抜けるランナー=2024年11月3日、南城市知念 2025 第22回琉球国王尚巴志ハーフマラソン コースマップ

攻略法 優勝経験者濱崎さんに聞く

新里坂までペース守る 歩幅狭めて体力消費抑制

濱崎達規さん

 急勾配の新里坂(しんざとびら)や前半のアップダウンなど、尚巴志ハーフマラソンのコースは気を付けたいポイントがある。陸上クラブ「なんじぃAC」指導者で、大会優勝経験のある濱崎達規さん(37)に攻略法を聞いた。

◇     ◇

 完走するポイントの一つは、新里坂の4・5キロ付近までマイペースを貫くことです。平たんな道が続くのでハイペースになりがちです。スピードに乗って難関の新里坂に入ると一転、歩くことになりかねません。

 新里坂は勾配の急な坂が長く続き、練習しているトップ選手でもきつい。前かがみで、目線は下に、ピッチを細かくして走ることをお勧めします。歩幅を狭めてちょこちょこ走ることで、大きな筋力を使わずにエネルギー消費が抑えられます。

 新里坂を上り切っても、そこからコストコ沖縄南城倉庫店手前までアップダウンがあり、緩やかな上りが続きます。

 (11キロ地点の)ニライカナイ橋からようやく下りになります。ここまでの前半はイーブンペースを守ることを意識して、橋でペースアップを図るのもいいでしょう。ひざの力を抜いて体を前傾にして、スムーズに流れに乗りたいところです。

 ニライカナイ橋を通過したら峠は越えました。安座真から佐敷までラスト5キロは平たんで真っすぐな道が続きます。沿道の声援を力に、気力を奮い立たせて走り切ってください。

 尚巴志ハーフは景観に富んだコースで沿道の応援も温かい。フルマラソンの距離が半分のハーフはスピード感を持って、気持ち良く走れるのが魅力です。

スタートの鉦(かね)の音に合わせて元気よく駆け出すランナー=2024年11月3日、南城市佐敷兼久

「元気で仲良し」7人出場 船越ホワイトタイガース

3キロコースに出場する(前列右から)仲間壮亮さん、仲本翔空さん、粟国陸斗さん、知念志龍さん、百名亜央さん、島袋蓮さん、百名琉亜さんと応援メンバー(後列)=23日、南城市立船越小学校グラウンド

 少年野球チーム「船越ホワイトタイガース」に所属する小学2~6年生約20人のうち7人が3キロコースに出場する。

 チームは、南城市立船越小学校グラウンドで週5回、走り込みやバッティング練習に励む。キャプテンの百名琉亜(るあ)さん(12)は「みんな元気で仲が良いチーム。とにかく楽しみます」と笑顔で語る。

 昨年に続き2度目の出場となるメンバーが多い。昨年のレースについて仲間壮亮さん(11)は「完走できてうれしかった」、百名亜央(あお)さん(10)は「きついのが楽しかった」と振り返る。今年のレースに向け、知念志龍さん(11)は「昨年のタイムよりも速く、13分台で走りたい」、粟国陸斗さん(11)は「昨年はスタートダッシュで遅れたので、しっかりスタートして自己ベストを出す」と意気込んだ。

 出場しないメンバーも応援に駆け付け、チーム一丸で本番に挑む。

ハーフ団体 完走目指す キングスRUN

完走を目標に練習に励む「キングスRUN」のメンバー=19日、北谷町北谷・アラハビーチ

 プロバスケットボールBリーグ「琉球ゴールデンキングス」のブースターでつくる「キングスRUN」のメンバー11人は、ハーフの部に出場して完走を目指す。昨年創設された「団体の部」に初出場した。ことしもマラソンを走ることでキングスを応援しようとSNSで呼びかけ、20~60代の男女が集まった。

 山城政枝さん(54)=宜野湾市=は「完走してチームへの愛を皆さんに伝えたい」と意気込む。平均タイムで順位を競う「団体の部」の記録も意識するが、「完走が怪しい人がいる。上位を狙いたいが大丈夫かな」と笑う。

 初めて尚巴志ハーフマラソンに出場する田港朝直さん(61)=同市=は高校時代陸上選手だった。「週5日、毎回4キロ走っている」と話し、順調な仕上がりに満足げ。「序盤の新里坂が大変そうだけど、ペースを崩さないように心がけて全員でゴールしたい」と語った。

限界に挑戦して 大会長・古謝景春南城市長

古謝景春南城市長(大会長)

 今年で第22回を迎える本大会は、沖縄を代表する大会として定着しており、これまで大会を支えていただいた皆さまに心より感謝申し上げます。

 ランナーの皆さまには、琉球国王・尚巴志の生誕地である南城路を駆け抜けながら、沿道の温かい声援を背に、本市の豊かな自然や歴史、文化を体感していただきたいと思います。また、仮装部門でも仲間との絆を強め、交流しながら大会を楽しんでください。

 困難を乗り越え統一を成し遂げた尚巴志王のように、ぜひご自身の限界に挑み、新たな感動と自己ベストを目指していただければと思います。

交通規制協力お願い 国道331号・県道137号など

尚巴志マラソン交通規制マップ

 2日の尚巴志ハーフマラソン開催に伴い、コースとなっている国道331号や県道137号などで交通規制があります。交通規制図を確認の上、皆さまのご協力をお願いします。

 また、周辺道路の規制により午前9時半から10時50分の間、コストコ沖縄南城倉庫店の駐車場への入庫・出庫ができなくなります。

 コースは、スタート地点からユインチホテル南城付近までとゴール手前約1.8キロが両側交通規制で、その他が片側規制です。

 スタート地点周辺は午前8時10分から同9時20分まで両側規制。ゴール周辺は午前8時10分から午後0時半まで両側規制します。

 交通規制は最後尾のパトカーが通過次第解除されます。

仮装大賞 今年もやります 当日写真で応募

2022年の第19回大会に仮装して参加したランナー

 大会当日にコスチュームなどの仮装で走ったランナーを対象にした「仮装大賞」を昨年に続き今年も実施する。専用の申し込みフォームに、大会当日に撮影した仮装の写真に加え(1)氏名(2)ゼッケン(3)仮装のコンセプトの説明(50字程度)を入力してエントリーする。写真にはゼッケンが写っていることが条件。

 エントリー写真は大会事務局がホームページに掲載し、閲覧者の投票により入賞者を決定する。

 仮装大賞の申し込みは https://logoform.jp/form/Zwm9/1204435 から。

全申込者に記念Tシャツ 飛び立つ獅子デザイン

第22回尚巴志ハーフマラソンの記念Tシャツ

 今年もハーフマラソンと3キロの申込者全員に大会記念Tシャツが贈られる。

 今年のTシャツは、雲を割り、波を超え、飛び立つ獅子がデザインされている。獅子の下には英語で「Ryukyu King SHOHASHI Half Marathon」と書かれている。シックなデザインで黒が基調。

 Tシャツは、参加の記念品であると同時に沖縄の文化を表現したデザインで、毎年人気を集めている。

[ことば]尚巴志(しょう・はし)

 南城市佐敷出身の第一尚氏王統第2代の王。沖縄島を統一し、450年続く琉球王国の礎を築いた。1372年生まれ。1406年に中山、16年に北山、29年に南山を滅ぼして沖縄初の統一王朝を樹立。39年没。

大会日程11月2日(日)

  •  午前5時    南城市役所隣の同市公共駐車場オープン
  •  午前5時半   駐車場発会場行きシャトルバス運行開始
  •  午前7時半   駐車場発会場行きシャトルバス最終
  •  午前8時10分 交通規制開始
  •  午前8時15分 スタート地点へ移動開始
  •  午前8時40分 開会式
  •  午前9時    ハーフの部スタート(制限時刻午後0時15分)
  •  午前9時半   3キロの部スタート(制限時刻午前10時)
  •  午前11時   3キロの部表彰式
  •  午前11時半  佐敷小発駐車場行きシャトルバス運行開始
  •  正午      ハーフの部表彰式
  •  午後0時半   交通規制解除
  •  午後2時半   佐敷小発駐車場行きシャトルバス最終
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  • 主催 琉球国王尚巴志ハーフマラソンin南城市大会実行委員会、南城市、南城市体育協会
  • 共催 沖縄タイムス社、琉球放送
  • 主管 スポーツツーリズム沖縄
  • 協力 県ランナーズクラブ連合会
  • 特別協力 NAHAマラソン協会

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